[J2第28節、ジェフユナイテッド千葉 2-1 ヴァンフォーレ甲府、8月30日、千葉・フクダ電子アリーナ]
千葉は新加入MFイサカ・ゼインの加入後初得点で逆転し、甲府を下した。
試合前には「歯がゆさもありました」と明かしていた背番号42がサイドで躍動。決勝点に喜びを爆発させたが、まだまだ満足はしていない。
歯がゆさを感じていたサイドアタッカー
待望の加入後初得点だった。
千葉は先制点を許しながらも、前半25分にFWカルリーニョス・ジュニオのゴールで同点に追いついた。右サイドで先発出場したイサカはサイドで上下動を繰り返し、虎視眈々(たんたん)とチャンスを狙っていた。
「たたみかけることで一つ(得点を)取れる。取れないから(動きを)やめるのではなくて、やり続けることや回数がすごく大事だと思います」と無尽蔵のスタミナを見せた。
J2モンテディオ山形から完全移籍で途中加入した。古巣では今季リーグ戦23試合に出場していたが、先発8試合で1得点に留まっていた。
千葉デビューとなったJ2第24節いわきFC戦(2-2)で早速アシストを記録。ここまで4試合連続で先発していた新たなサイドアタッカーは、すぐさまフィットしてみせた一方で、得点を奪えていなかった。
「今年はなかなか結果を残せていない中で、歯がゆさもありました。それでも最後の資やクオリティを求められて、(千葉から)オファーをいただいたと思っています。自分は推進力や突破、スピードを求められて移籍させてもらった。その分期待もあると思っているので、活躍するための準備をしてきました」とこの日のピッチに立ち、鬱憤(うっぷん)を晴らした。
同点で迎えた後半3分に、左サイドからMF田口泰士がクロスを供給。ボールは惜しくもイサカの前で相手ディフェンダーにクリアされたが、こぼれ球をカルリーニョスがダイレクトで背番号42につなげた。
見事な反射神経で合わせた左足シュートは惜しくもポスト直撃。それでもすぐさまボールを回収し、落ち着いて右足で流し込み逆転した。
得点後、ゴール裏サポーターの目の前で喜びを爆発させたイサカは「後半になって、あっち側(千葉のゴール裏側)に向かって攻めるのはすごく勇気をもらえますし、あの雰囲気はなかなかない。でも、もっときれいなゴールを決めたかったです(笑)」と声援を力に変えた。
次節は9月14日午後7時からアウェイ・維新みらいふスタジアム(山口)で、J2レノファ山口FCと対戦する。
【インタビュー】MF椿直起がJ2ジェフユナイテッド千葉で過ごす覚悟のシーズン「代表とか海外のレベルじゃない」ともがき続けたプロ生活の出口へ
2試合連続ゴールへの期待がかかる千葉のサイドアタッカーは「もっと(得点を)取りたいイメージもありますし、その意味でも次が一番大事だと思う。もう1得点取りたかったですが、きょうの悔しさを次に生かしたいと思っています」と、さらに闘志を燃やしている。
(取材・文 浅野凜太郎、写真 繩手猟)
【Qolyインタビュー】Jリーグの秋春制移行、JFLのプロ予備軍化…改革の中で「地域リーグが描く戦略」とは?関西のトップに聞いてみた