目指すはアマチュアリーグ最高峰

近年企業チームは苦境の中にあるという。今後JリーグやJFLは秋春制に移行するため、企業のカレンダーとサッカーのカレンダーが異なる状況となる。新入社員選手がリーグ途中加入になるなど、困難を強いられそうだ。

昨年、アマチュアサッカー界を長きにわたって支え続けたソニー仙台FCがチームを解散した。「企業がチームを運営するのに冬の時代が到来するのでは」と、複数関係者から話を聞くが、IRIS.F.Cはこの困難な状況の中でもJFL参入を高らかに掲げている。

本吉は「まず会社としては、恐らく東北でいま最も注目をいただいている企業に成長しています。それに伴ってスポーツ面でも、東北だけじゃなく、JFLを目指して全国にアイリスオーヤマの名前を知ってもらうためにも、このチームを強くしたいと思っています」と意気込んだ。

鋭いロングフィードを放つ本吉

サッカー、業務と二足の草鞋をはきながら全力で戦う本吉にはキャリアの目標がある。目指す先は会社の顔になることだ。

「アイリスオーヤマといったら、サッカーで本吉。営業でも『本吉というすごい営業マンがいるぞ』と言われるように、会社の顔になりたいですね」

チームは今月27日から開催される全国クラブチーム選手権に出場する。目指すはタイトル獲得であり、勢いそのままに東北2部南昇格へとつなげる機運をつくりたい。

「全国に知ってもらえる初めての機会なので、結果を残して、IRIS.F.Cの名を全国にとどろかせたいです」と意欲を見せた。

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Jリーグに行けた男はプロの道へ進まずとも、充実した表情を浮かべながらも真剣な姿勢で競技に取り組んでいた。大学時代に「俺はビッグな男になります」と言っていた本吉は、いま有言実行している最中だ。

(取材・文・撮影 宇田春一)

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