U-20ワールドカップにおいて、無失点の3戦全勝でグループステージを突破し、ラウンド16でもフランスを圧倒したU-20日本代表。

最後は延長戦終了間際にPKを奪われ、無念の敗退を喫したが、船越優蔵監督率いるチームが見せたパフォーマンスは非常に高いものだった。

そんな今大会のチームにおいて、活躍が際立っていた5名の選手を紹介する。

ピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾

2006年1月10日生まれ(19歳)

名古屋グランパス所属

2月のU20アジアカップではオーストラリアに敗れ、準決勝敗退に終わったU-20日本代表。当時と比べて、U-20ワールドカップでチームとしてワンランクアップしたのはピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾の功績が大きい。

アジアカップでは招集外だったピサノだが、所属の名古屋グランパスでその後、シュミット・ダニエルの怪我もあり若手起用に積極的な長谷川健太監督のもとスタメンを獲得。

すると、196cmの長身GKは、左右両足での卓越したビルドアップや的確なコーチングによる安定したゴールキーピングを披露。Jリーグでの活躍が評価され、7月の東アジアE-1選手権で日本代表デビューを果たした。

その経験も糧に、今回のU-20ワールドカップで日本の守護神を務めたピサノ。最後のフランス戦、決勝点となるPKを前に荒木琉偉と交代した悔しさを胸に、楢﨑正剛氏がGKコーチを務めるクラブへ戻りさらなる成長を目指す。

市原吏音

2005年7月7日生まれ(20歳)

RB大宮アルディージャ所属

あらためて、今回のU-20日本代表は「市原吏音のチーム」だったと言える。彼が放つ“陽”のエネルギーは、今大会もチームを包み各自が前向きな選択をする手助けをした。

グループステージ最初の2試合では、いずれも自らのPKで先制点を奪取。特に開催国チリ戦でのパネンカ気味の一撃、そして直後に見せた地元サポーターを煽るようなセレブレーションは、日本人離れしたメンタリティの表れだろう。

守っても、守護神ピサノらとともに日本の堅守に貢献。喜多壱也とのハイレベルなセンターバックコンビにおいて、喜多をカバーする余裕すらも見せた。

2024年1月、海外行きも噂された中で大宮でのトップ昇格を決断した市原。その時に語った「自分の夢は日本代表としてW杯のピッチに立ち、新たな歴史を作ること」を実現する戦いが、ここから始まる。