かつてニューカッスルやリヴァプールなどに所属した33歳の元イングランド代表MFジョンジョ・シェルヴィは、今夏UAEへと移籍したことを「金のためではなかった」と告白した。
スキンヘッドの特徴的な容姿で知られたシェルヴィは、2010年にチャールトン・アスレティックからリヴァプールへと移籍し、プレミアリーグ47試合に出場した。
その後スウォンジー・シティ、ニューカッスル・ユナイテッドで長く活躍を見せ、イングランド代表でも6試合でプレーした経験を持っている。
しかし今夏はバーンリーとの契約が満了となったあと、ハル・シティでのトライアルに失敗し、ハムストリングの怪我もあって浪人生活に。2ヶ月ほど「何もしていなかった」という状況を経験したあと、友人のハリー・アゴンバー氏が監督を務めるUAE3部のアラビアン・ファルコンズに加入した。
『BBC』によれば、シェルヴィはこの移籍について以下のように話しているという。
「みんな、お金のためにUAEへ行ったんだろうと言うんだ。ただ、僕としては『お金って何?』と思っている。
UAEの下部リーグにお金はないよ。ここのサッカー選手の月給はおおよそ2000ポンド(およそ40万円)くらいのものだ。僕がキャリアを通じて稼いできた額を考えれば、これは大したお金ではない。
兄がロンドンのホテルで働いているが、彼は僕よりも稼いでいるよ。だから、お金のためにUAEへとやってきたわけではない。
自分の時間がたくさんあった。幸せであり、そして満足もしている。ただ、もう一度サッカーを楽しんで、家族とともに時間を過ごしたいだけだ。
そして正直に言えば、もう子どもたちにはイギリスで育ってほしくないんだ。僕は良い地域に住むこともできたし、幸運だったが、故郷のロンドンではもう良いものは得ることができないよ。
ロンドンでは時計をつけていることもできない。スマートフォンを見せることもできない。それは僕の見解だけどね。
ツイートしただけで逮捕される人もいる。国旗を掲げて『国を取り戻す』と叫んでいる人々もいる。
僕はここに座りながらそのようなことにコメントするつもりはないよ。そんな賢さがあるわけではないし、そうすれば自分が困ったことになるのはわかっている。
ただ、イギリスは10~15年前とは全く違ったものになったと感じているだけだ」
ロンドンでは昨年8万台ものスマートフォンが盗難被害に遭ったと報告されており、治安の悪化が叫ばれている。
シェルヴィはサッカー選手としてのキャリアで様々な街に居住してきたものの、故郷のロムフォードに近いロンドンでは子供を育てたくないと感じているようだ。
なお、シェルヴィは現在UAEでプレーしながらもUEFA Aライセンスの資格取得に向けて勉強しており、午前中はトレーニングに勤しみ、夜間は選手へのコーチングを行うという生活をしているそうだ。