サッカーで成功を収めて大金を得られる選手は一握りに過ぎないが、中には道を踏み外してしまう選手も少なくない。
イギリスメディア『Mercury』は16日、元ジャマイカ代表FWジャマー・ローザが、ノリッジ刑事裁判所から懲役28カ月の実刑を科されたと報じた。
同選手は、3年前に笑気ガス(亜酸化窒素)を1パレット単位(1万ポンド、約199万円)で調達・販売し、二人の運転手を雇って配送したとして逮捕・起訴されていた。
また裁判では、ローザが「金がありすぎてどうしていいか分からないほど儲かっている」と豪語している通信記録も取り上げられたという。
現在31歳のローザは、ノリッジの下部組織出身のストライカーで、2013年に期限付き移籍先のコヴェントリーでプロデビューを果たした。
2014年にはノリッジでプレミアリーグの試合にも1試合出場した。
その後はイングランド下部リーグを中心に活躍し、ジャマイカ代表としても国際Aマッチ4試合に出場。同選手は2014年10月に新潟県のデンカビッグスワンスタジアムで行われた日本代表との国際親善試合にジャマイカ代表の一員として出場した経験を持つ。
今年3月にイングランド地域リーグのケッテリング・タウンと契約を結んだばかりだった。
ローザは逮捕される8日前にも笑気ガス所持の疑いで取り調べを受けていた。
イギリスの庶民院図書館の情報によると、笑気ガスの娯楽用途の製造・供給は違法とされてきたが、同国政府は2023年11月以降、笑気ガスを麻薬取締法の「クラスC」にし、所持自体も犯罪となった。
笑気ガスの規制強化の背景には、若年者の乱用増加や健康被害、路上ゴミの増加などの社会問題があるという。
ローザの弁護士を務めるジョン・ハーロック氏は、犯行は3年以上前のものであり、同選手は2年以上前に有罪を認めていると主張。現在は「(更生に向けて)前向きな努力をしている」とのこと。
過去の審理では、現役時代にノリッジで活躍し、レイストンでローザを指導したダレン・イーディ氏の人物証言が紹介され、「本当にいいお手本だった。ピッチ内外での振る舞いを若手選手に教えていた」と記されていたという。
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かつて若手選手のお手本として慕われたローザが法を犯す結果となったことは、才能を持った選手であっても、誤った選択一つで人生が大きく転落してしまう残酷な現実を痛感させる出来事となった。