J1のFC町田ゼルビアは31日、三輪緑山トレーニングセンター(東京都町田市)で練習を公開。
主将としてチームを牽引する元日本代表DF昌子源が、来月4日に行われるホームでのAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)リーグステージ第4節メルボルン・シティ(オーストラリア1部)戦に向けて意気込みを語った。
アジアの舞台で鹿島時代の後輩と再会へ
この日行われた練習は攻守の切り替えを意識した内容が多く、グラウンドには選手たちの荒い息づかいが聞こえてきた。
それでも昌子は、この日集まったファンと笑顔で交流し、ハードな練習の疲れを見せなかった。
町田は今季、クラブ史上初めてアジアの舞台に挑んでいる。前節の中国1部上海海港とのアウェイマッチでは日本代表FW相馬勇紀のゴールなどで完封勝利。ACLE初勝利を手にした。
町田の背番号3は「いい意味でみんなもACLに慣れたと思う。ウォーミングアップの途中に、ユニホームチェックが入ったりとかで、自分のリズムが崩れる人は絶対に出てくるけど、そういうのも慣れてきたかな」と、アジアの戦いに手ごたえを感じている。
次はサポーターに、ホームでの同大会初勝利を届けたい。
「メルボルンに勝てば8位以内は堅くなっていくと思う。しっかり年内の(残り)3試合を勝って、年明け前に8位以内は絶対に堅いという状況をつくりたい。理想を言えば、この前の上海(海港)戦は、前半で3、4点取れたと思う。(得点を)取ることによって、Jリーグ(に出場している選手)とは違う選手が入ったり、例えば主力と言われる人を前半で代えられたり、若い選手が経験を積めるかもしれない。それもチームとしてのあり方の一つだと思う」
次節のACLEで対戦するメルボルンは、昌子がJ1鹿島アントラーズ在籍時代にチームメイトとして切磋琢磨したFW金森健志(たけし)が今季から加入している。
昌子は、昨年12月に福岡県福岡市でラーメン屋をオープンした金森が海外へ移籍するとは思わなかったという。
海外へ活躍の場を移した後輩の姿を見て、「やっぱり、あいつもサッカー選手だなと。福岡ではちょっと出番が少なくなっていたこともあるし、環境を変えてね…。でも、あいつが福岡のときにキャプテンマークを巻いて試合している姿を見ると、ちょっと偉そうですけど、成長したなと思いますね」とうれしそうに語った。
また同選手は、金森のプレーについても成長を感じている。
「最近はドリブラーというより、周りを見て判断を変えていける気の利いたプレーヤーになっていると思いました。僕が鹿島にいたときはネイマールとか言われて、本当にドリブルの突貫小僧みたいな感じでしたけど、周りを見てやっているので、いい意味で怖さがまた増したかなと」
鹿島で苦楽をともにした後輩とアジアの舞台での再会にうれしさを感じている昌子だが、「試合になれば勝負事なので。向こう(金森)も助っ人として行っていますから、意地があるでしょうし、僕らも負けていられない」と気を引き締めた。
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直近の公式戦では、3試合連続でクリーンシートを達成している町田。メルボルン戦でも町田の背番号3がディフェンスラインを統率し、サポーターにACLEでのホーム初勝利を届けてみせる。
(取材・文 縄手猟)