イングランド1部チェルシーとキットサプライヤーのNikeは1日、紛争で犠牲となった人々を追悼する「リメンブランス・プレマッチトップ」を発表した。
今作はイギリス最大の軍事慈善団体「Royal British Legion(RBL/ロイヤル・ブリティッシュ・レギオン)」とのコラボレーションとなる。
Chelsea 2025-26 Nike Remembrance Pre-Match Top
チェルシー 2025-26 Nike リメンブランス プレマッチトップ
紛争で命を落としたすべての犠牲者を追悼する限定モデル。プレマッチトップとは、選手が試合前のウォーミングアップ時などに着用するトレーニングウェアの一種だ。
ホワイトを基調に、追悼の象徴である赤いポピーと歴史あるチェルシーローズを融合させたデザインは、敬意と芸術性が同居する美しい仕上がり。裾部分にはコラボレーションしたRBLのタグが付く。
背面にも赤いポピーとチェルシーローズを描き、首元にはポピーのパッチを装着。プレミアリーグなどイギリスのフットボールが好きな人ならよく知るパッチだろう。
1918年11月11日に第一次世界大戦が終結。イギリスではこの日を戦没者追悼のリメンブランス・デーと定めており、この時期はイングランドやスコットランドなどのサッカー界でも、ユニフォームの胸に赤いポピーのパッチを装着するのが伝統となっている。
リメンブランス・デーの時期に赤いポピーを付けるのは今や当然となっているが、ポピーそのものをデザインしたシャツは比較的珍しい。
なお、今作に関してチェルシー側は、第一次世界大戦に限らず世界中の“紛争”の犠牲者を追悼するものとしている。
恐らくあえて戦争ではなく紛争という言葉を使用したと思われるが、そこにはロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルによるガザ地区侵攻での犠牲者も含まれているのだろう。赤いポピーの拡大解釈とも言える今回の取り組みは興味深い。
Warming up in our poppy-inspired Nike pre-match top, produced in partnership with the @PoppyLegion.
Your donation will help raise vital funds for RBL to support the Armed Forces community for life.
— Chelsea FC (@ChelseaFC) November 1, 2025
男子チームは、1日に行われたプレミアリーグ第10節トッテナム戦から着用を開始。8日開催の第11節ウォルヴァーハンプトン戦でも着用予定だ。また、女子チームもリーグ戦2試合で着用する。
リメンブランス・プレマッチトップは、チェルシーの公式ストアにて2,025着の数量限定で販売。オンラインストア上では、男性用サイズは既に完売となっている。
なお、シャツの売り上げから一着あたり15ポンド(およそ3034円)が、退役軍人やその家族を支援するRBLへ寄付される。