J2のブラウブリッツ秋田は10日、強化部長の朝比奈伸氏が2025シーズンをもって退任すると発表した。
2021年に初昇格して以降、決して多くない予算の中でJ2に残留し続けている秋田。
今季も9日に行われた第36節のいわきFC戦において、飯泉涼矢と佐藤大樹のゴールで2-0と快勝。見事5シーズン連続の残留を決めている。
そんなクラブで重要な役割を担っていた一人が、今回退任が発表された朝比奈氏。現役時代にクラブの前身であるTDKサッカー部でプレーした49歳は、2023年から秋田の強化部長を務め、吉田謙監督を支えてきた。
2024シーズンには、クラブ最高順位の10位を達成。今季は前半戦低迷し、夏にはエースFW小松蓮がヴィッセル神戸へ引き抜かれたものの、最終的には2試合を残して残留を成し遂げている。
以下は退任が決まった朝比奈氏のコメント。
「秋田を応援してくださるファン、サポーターの皆さまへ。2023年より強化部⻑の任を預かってまいりました、朝比奈伸です。このたび、今年度をもちましてクラブを離れることになりました。
2009年に前身のTDKサッカー部でプレーヤーとして引退をさせていただいたこの秋田の地で、クラブを強くするという仕事に携われたことは、大きなやりがいと責任を感じる3年間でした。
この間、チームは「J2定着」という絶対的な目標とともに、「J1にチャレンジする足掛かりをつかむ」ことを目指し、選手・スタッフともに全力で戦ってきました。プレーオフ進出、J1昇格という目標を達成できなかったことは悔しく、心残りです。
今季は開幕連勝を飾ったものの、第3節以降は苦しむ中で、巻き返し、残留を決めてくれた仲間たちの戦いに、この3年間で培ってきた秋田の自力を見ることができたと感じています。
また、秋田からJ1に羽ばたいた選手も増えました。ここに来れば、プレーヤーとしても、人間としても成⻑できる。そのような流れの一端を担えたのであれば、これほどうれしいことはありません。
ともにJ1を戦うという夢は実現できませんでしたが、いつかJ1の舞台で秋田の⻘が躍動する日を夢見ております。
あらためて、サポーターの皆さま、関係者の皆さま、選手・スタッフの皆さまに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました」
3季連続、日本人選手のみでJ2残留!吉田謙監督率いるブラウブリッツ秋田が「地方クラブのお手本」と言えるワケ。
14位のブラウブリッツ秋田は次節、23日(日)にホーム最終戦で2位ベガルタ仙台との東北ダービーに臨む。