先ほどの動画の続きには、ネイマールのゴールシーンをスローで再生したものが含まれていた。
Youtubeには再生速度を変更する機能も備わっているため、よりスローな映像をご覧になりたい方は再生速度を"0.5"にしてみても良いだろう(「設定」→「速度」)。
ルーカス・モウラからパスが通った場面、最前線の人数はブラジル3対アメリカ4。ブラジルは数的不利であったが、アメリカ側の守備陣形がバランス欠いており、ネイマールの左サイドがフリーとなっていた(途中でスルーをしたラフィーニャの判断も、相手選手の判断を狂わせた)。
左足でトラップをしたネイマール。
トラップはほぼ完璧であり、即座にシュートを打てる場所へとボールを止めた。
しかし、ネイマールはこのフリーな状態でシュートを打たなかった。相手GKブラッド・グザンに威圧感を感じたのか、利き足ではない左足でのシュートに不安を覚えたのかは分からないが、いずれにしても相手DFが足を出してきたところを切り返した。
すると、背後からリトリートしてきた他の選手がカバーリングに入っていた。
ネイマールの非凡さを感じるのは、このシーンである。
ゴールに向かって走っていたネイマールはこの選手が見えていなかったはずであるが、突如現れた相手選手を一瞬のうちに交わしバランスを崩して見せたのだ。
ここはスロー映像で見ないと分からないのだが、この選手を視界で確認してから右足でちょんと交わすまで本当に一瞬のことである。
こうしたシーンはよく見るが、平凡なストライカーであれば大抵カバーリングに入った選手にカバーされ天を仰いでいる。そして、「一発目のチャンス」でシュートを打たなかったことを悔やむのである。
この咄嗟の判断は、ネイマールだからできる芸当であろう。