-勝たなければ、敗退が決まる最後のタイ戦の前、どんな言葉をかけて選手たちを送り出したのでしょうか?

乗松「とにかく自信を持てと。絶対に勝てると思っているし、みんながタイに劣っているとは思えない。今日はみんながそれを証明する日だと言って送り出しました。タイとは以前、東南アジアの大会で対戦しましたが、その時とメンバーがほとんど変わっていませんでした。その時は強力なFW(ニーサ・ロムエン)に2点取られて1-2で負けましたが、そのFWは今回いない。みんなは確実に成長しているから、無失点で乗り切れば、必ずあの時よりも得点を取れる。そうしたら、本当に2-0で勝利できました」

「相手がタイということで言えば、タイに対するコンプレックスを排除することに努めました。何十日も厳しい練習に耐えてきたのだから、勝てるという自信をもって臨めるように。思い出させないといけないのは、今までタイにギリギリで負けてきたことじゃなく、私が就任してから、想像を絶するようなトレーニングをしてきたということ。それを何のためにやってきたかと言ったら、自分たちが進歩し、進化するため。それが一番証明しやすい相手がタイでした」

-タイにはいつも大事なところでやられてきましたからね。昨年、自国開催した女子アジアカップ(兼女子W杯予選)でも、プレーオフでタイに敗れて、あと一歩のところでW杯出場を逃しました。その時は、全く攻めに行かないベトナムを多くのファンは歯がゆく思っていました。

乗松「戦術的なことについて言えば、これまでそうした指導がされてこなかったということでしょう。本当にベトナムの選手にはポテンシャルがありますから。特に、今回6ゴールで得点女王になったグエン・ティ・ミン・グエットには、絶対にタイのFWよりお前の方が上だと半年間言い続けてきました」

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