第2週目を迎えたEURO2016だが僅差の試合が目立っている。

1試合目は慎重に入るという通説があるがそれは本当なのだろうか?過去の大会のスコアと合わせて検証してみよう。

3得点以上取ったチームが存在しない

今大会では、全てのチームが2ゴール以内に収まっている。これは、EURO96以来のことであるが、以前の大会では結構あったようだ。

EURO92では2点以上取ったチームはゼロ。全ての試合が1点、ないしは0点であった。また、EURO84でも全てのチームが2ゴール以内に収まっている。ただし、これらの大会では参加国は8チームと現在の1/3であった。

サッカー界では「初戦は慎重に入るもの」とも言われる。24カ国とチームが増えてから初めてとなる今大会では、レベル差も懸念されたものの、今のところ大量得点試合は生まれていない。

3点差以上開いた試合がない

3得点以上取ったチームがいないということは、それだけの点差が開いたゲームがないという意味でもある。

今大会では12試合のうち半分にあたる6試合が1点差ゲームであった。引き分けは3試合、2点以上差がついたのも3試合となった。

「3点差以上開いた試合がない」のは80年代のEUROで見られた傾向でもあるが、16カ国になって以降は少なくなっている。

21世紀に入ってからは、EURO2004のスウェーデン対ブルガリアで5-0というスコアがあったものの、それ以外の試合は全て2点以内だった。

半分以上が無失点勝利

12試合中7試合で、勝利チームが対戦相手を無失点に抑えている。固い守備から「カテナチオ」と呼ばれ恐れられたイタリア代表を含め、7カ国が完封に成功している。

16カ国で戦ったEURO2012を例にあげれば、無失点勝利だったのは8試合中2試合のみ。これは珍しいケースで、EURO2008では8試合中7試合が無失点勝利だった。

とにかく初戦は0-0でも良いから勝ち点を持ち帰りたい、という心理の表れだろうか。

このように、EURO2016ではまるで8カ国で戦っていた当時を彷彿とさせる紙一重の攻防が目立っている。欧州では近年レベルの差が縮まっており、強豪国とそれ以外の間にあまり差がないのかもしれない。

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