平安山「具体的なテクニックなどはありますか?」
仲本「基本的にはポジティブな話をする時にはこちらもハキハキと話し、ネガティヴな話になる場合はこちらも少しシリアスに話しかけます。また、僕の質問に対して相手が答え切った後に、あえて次の質問を返さず変な間をあける事もあります。こうするとその間に何か少し気まずさが残るので、向こうが頑張ってもう少し、もう一声出してくれたり。実はそこに本音が出てきたりします」
平安山「おー!かなり具体的で僕にとっても学びになりました」
仲本「また、まだ信頼関係が出来ていない時などは、本当に聞きたい質問をダイレクトにぶつけてもあまり答えて貰えない事があるので、クッションを入れてみたりしています」
平安山「例えばどんな過去にはどんなクッションを入れてみましたか?FC琉球の選手相手になるのだと思いますが」
仲本「例えば、"日焼けが凄いね"ってクッションを入れてから、選手の頑張ってる部分へと自然に話を進めたりします。今年の例だと、FC琉球のジョンソン監督とまだ信頼関係が築けてない時には、ゴルフの話をしてまずは打ち解けてからインタビューを始めました。あまりかしこまり過ぎず、人間らしさを出して貰うためにどうしたら良いかを考えながら練習見学していると、練習の前後にゴルフのスイングをしているのを見つけて、"これだ!"と(笑)」
平安山「面白いですね(笑)そういったテクニックはどうやって身に付けたのですか?」
仲本「やっぱりラジオですね。役者さんを相手にしているので、自分も役者になりました。色んな方々と接してきた経験も役に立っています。有名なタレントさんは礼儀正しい方が多くて、色んなものを感じさせられましたね。インタビューをしていて、普段あまり話さない方が壁を取っ払って話してくれると嬉しいです」
平安山「最後に、これからライターを目指している方へのアドバイスをお願いします。例えば僕みたいな新米ライターにも(笑)」
仲本「僕が気を付けているのは、過信してしまわない事ですね。過信してしまうと、選手や監督が言った意見に、時折自分の意見を加えてしまって、彼らの意図から少しズレた意見をあたかも言ってしまったかの様に書いてしまう事があります。自分のフィルターで他人の意見を曲げてしまわない様にしています。彼らの言った意見を変えずに世に伝えたいと思っています」
平安山「今回はありがとうございました。ライターを目指す方に少しでも参考になれば幸いです」
筆者名:平安山 良太
小学生よりサッカーを始めるが、ケガにより早期挫折。高校時代より指導者の道へ。日本で中京大学や名古屋グランパスU12でのアシスタントコーチなどを含め、幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わった後、更なる成長を志し海外へ。
東南アジアのトライアジアプノンペンFC(現カンボジアンタイガーFC)やラオス代表で研修の後、ブラジルへ渡る。ブラジル一部リーグのアトレチコ・パラナエンセ→SCコリンチャンス→Avai FCの下部組織にてアシスタントコーチを歴任。
ライター、代理人、Jクラブでの通訳等も広く行っている。アルゼンチンのリーベルプレートやペルーのアリアンサ・リマで研修生の経験も。
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@HenzanRyota