▼「腕試し」が出来なかったこと
この試合で最も後悔が残るとしたら、“本気の”ブラジルと戦うことが出来なかったことである。
サッカー王国との真剣勝負に期待感が集まった中、前半早々に失点を喫してしまい、ブラジルに火を灯すことができなかったためだ。
もちろん、局面ではレベルの差を肌で感じられるシーンはあった。
だが、彼らが100%の力を発揮していたかと問われると怪しいだろう。
仮にこの試合で、通用しない部分、または通用する部分を感じ取れたとしても、それは確証に欠けるものであるはずだ。
とにかく、このような試合展開となってしまったことは残念だ。
この「欧州遠征」は世界最高レベルを体験できるまたとない機会であり、代表スタッフもそれを一つのメインテーマに掲げていたはずである。
つまり、主たる目的を自らのパフォーマンスによって、逃してしまったわけだ。
それだけに、この結果は本当に悔やまれる。
「たられば」の話は厳禁であるが、「同点」という状況で後半を迎えられたら、彼らはより大きなものを手にしていただろう。
しかし、まだ希望はある。この数日後には、ベルギーとの一戦が待っているからだ。
15日の試合では、その目的が叶えられる展開になることを祈るばかりである。