システム
システムの話に移る前に、まずサウジアラビアとACLにおける外国人枠の違いに言及しなければならない。
国内では5+1(アジア枠)が許されるが、ACLでは3+1しか使うことが出来ない。
アル・ヒラルは6名の外国人を保有しているが、このためにアリ・アル・ハブシとヘルミン・リバスが登録外となっている。彼らについて今後余程のことがない限り出場はない。
フォーメーションについては3バックが中心であるが、4バックも使い分ける柔軟な形をとっている。
外国人枠が3+1ということを前提で考えれば、最大の強みは中盤とウイングバックのレベルと選手層であると言える。
右のムハンマド・アル・ブライクはこのところサウジアラビア代表にも選ばれてきたスピード系DF。両サイドでプレーできるヤースル・アル・シャハラーニ(写真左)は運動量と闘争心、攻撃力が武器だ。
左サイドにも、センターバックをこなすアブドゥラー・アル・ズーリ、ボランチ兼任のサルマン・アル・ファラージがいる。両サイドはもはや誰が出てきてもサウジアラビア代表主力レベルの選手だ。
ボランチもアブドゥルマリーク・アル・ハイブリと上記のアル・ファラージとミレシがおり、非常に硬い。攻撃的なオプションとしてもアブドゥラー・アティーフ、アル・シャルフーブがいる。
そして1.5~2列目も楽しい。ここの特徴は加速力のあるドリブラーが多いことだ。左利きのナワフ・アル・アビド、右利きのサーラム・アル・ドサリは高い技術と俊敏性とテクニックを兼ね備える。
ビッグネームではないが、このチームで最も危険なのは最前線のオーマル・ハリビンとカルロス・エドゥアルドだ。
シリア代表として先日対戦したハリビンは、エースとして伝えられることも多いが、実際彼はセカンドストライカーのほうが向いているタイプ。
そして、彼がいることで生かし生かされという関係になっているのが、3番を着けている異色の攻撃的MFカルロス・エドゥアルドだ。
ポルトガルではもう少し低めの位置でプレーしていたが、その後移籍したニースでセカンドストライカーに転向。
2015年に加入したアル・ヒラルではより攻撃的な役割を担い、ACLではハリビンと2トップを組むことも多い。
この「生かし生かされ」が出来る「1.5列目タイプ×2」の最前線が、アル・ヒラルのフィニッシュを左右する。