――育成面ではクラブとしてどういった点を重視していますか?

人間性です。いい選手を育てようではなく、サッカーを通して様々なことを学び、一人立ちできる人間を出していきたい。そういったことをしっかりすれば自然といい選手も生まれてくると思っています。

地方はどこも一緒ですが、育成にどれだけ力を入れられるか、そこにかかっていると思います。

なので、育成に自分たちの考えを落とし込んでやっていけるか。ただ現状、自分やチームだけでは十分ではないので、周りの協力や助けも借りながら色々なことを経験させ、人間として成長できる環境を整えたいと考えています。

ここには自分の経験があって、中学生のときにU-15の日本代表に選ばれたのですが、当時は日韓ワールドカップ前だったのでそれこそ何か国行ったか分からないくらい海外へ行かせてもらいました。

あのときに多くの国へ行き、同じ年代の選手たちと対戦したり、その国の文化に触れたりすることができました。その経験が自分の今の考え方にも繋がっているので、同じような体験をさせてあげたい。そこが一番大きいです。

――沖縄にはFC琉球というJクラブがあります。そちらを意識することはありますか?

カテゴリーが違うので意識はしていないです。あえていうなら練習試合もやらせてもらっていますし、サッカーにおいて自分たちの刺激になる存在ですね。

FC琉球さんはもうJ3にいてJ2を目指そうというスタンスですが、うちはまだ地域リーグですから。創設から2年しか経っていないクラブですし、現状で同じ土俵にというのは正直おこがましいかなと思っています。

ただ、自分たちが沖縄の底上げになって、沖縄SVとFC琉球が存在することにより、沖縄のサッカーが盛り上がっていく。そしてサッカー以外のスポーツにも波及していけば、それは良いことだと思います。

自分たちがどうこうという考えでは結局、何のためにやっているのかが分からなくなります。ピッチ外の取り組みも含め、沖縄が盛り上がっていくきっかけになることが、このチームが存在する意味にもなるのかなと。