カップ戦特有の「テスト的要素」
『プレナスなでしこリーグカップ2部』は、なでしこリーグ2部全10チームを地域別に2組に分け、ホーム&アウェイ総当たり2回戦のリーグ戦を実施する。
西日本側に相当するグループBでは、伊賀フットボールクラブくノ一が開幕から3連勝。グループリーグ首位同士が対決する決勝進出に向けて、すでに頭1つ抜け出している。
初戦でその伊賀に敗れたバニーズは前節、敵地で日本代表FW大矢歩を擁する愛媛FCレディースを相手に0-2と快勝。それもDF山本裕美とMF松田望というバニーズらしいサッカーを体現するベテラン2選手が欠場し、新加入のDF野間文美加と加入2年目のMF酒井美鈴が初先発でフル出場した中で掴んだ、カップ戦初勝利となった。
この日のバニーズは、その山本と松田が先発に復帰。2部昇格を勝ち取った主力メンバー+大卒新人ながら先発に定着しているMF小川くるみ、という現状のベストメンバーを先発のピッチに送り出した。
ただ、昨年の3トップ<右・吉田早紀、中央・西川樹、左・佐藤莉奈>から、<右・佐藤、中央・吉田、左・西川>へと配置を変更。
「昨年の3トップの構成だと両サイドが高くて真ん中(西川)の方が下がってプレーするイメージだったのを、コンディションの上がっている吉田を最前線にして真ん中が最も高い布陣」(千本哲也監督)にトライしている。
一方、ここまでリーグカップ2連敗スタートのハリマは、後方の主力選手は継続して先発起用されたものの、高倉麻子現監督体制で日本代表歴もある千葉園子を筆頭に、葛馬史奈、内田美鈴といった個人で局面の打開を図れるアタッカー3選手がベンチスタート。
また、今季から主将を務めるMF小池快がシーズン開幕から担っていたアンカーではなく、センターバックで先発。攻撃時はトップ下となり、守備時にはボランチを担う千葉が先発を外れたこともあり、中盤の構成もボランチ2枚を置くオーソドックスな<4-4-2>に変更してきた。
リーグ戦では共に1勝1敗のスタートとなっている両チーム。1週間後のリーグ再開へ向けて、お互いに戦術的なオプションも試す試合となった。