Qoly(以下、太字――): 今日はよろしくお願いします。まずは、まだ『プラスツバサ』を知らない読者に向けて、どのような経緯でこの企画が生まれたかを教えて頂けますか?

佐藤学氏(以下、省略): スタートは5月にイタリアのショールームにお邪魔したところからですかね。

現地に到着するまでは「イタリアの靴=レザードレスシューズ」の印象が強かったのですが、いざ降り立ってみると、街はスニーカーで溢れかえっていました。連れて行ってもらったセレクトショップのアイテムもレザードレスシューズは二割ほどでした。

ーー 想像していた光景とは真逆のものが待っていた…と。

佐藤学: 本当にあの光景には驚かされました。

自分が行ったショールームのボスから出た言葉も「スニーカーは作れないの?作ってくれたら販売するよ」でしたし、かなり衝撃を受けましたね。

ですが、それが今回のブランドを作るきっかけになりました。

ーーそこから製作が始まり、7月にブランドを発表。年が明けて今年の2月にローンチとなるわけですが、「プラスツバサ」という名前に惹かれた方も多そうです。

元々、海外で成功するためにも「日本ぽさは取り入れたい」と考えていたんですが、同時に「ダサくはしたくない」という強い気持ちもありました。

世界に羽ばたいていくイメージと日本語である「ツバサ」というキーワードが湧いてきたんですが、今回ブランドを始めるにあたって周りの人たちに背中を押してもらえたように、今度はみんなの勇気を後押しできればとの思いで「プラスツバサ」とつけました。

「背中に“翼をプラス”して、色んなことに挑戦する勇気を持ちましょう、羽ばたきましょう」っていう前向きなネーミングで自分的にも気に入っています。 完成したスニーカーも非常に満足できる質でした。

長く付き合いのあるポルトガルのメーカーに生産を依頼したんですが、彼らからも「このブランドに携われて幸せだ」と言ってもらえて、あの言葉は嬉しかったですね。

ーーブランドお披露目となった展示会での評判も上々だったと聞いています。

はい、それから日本で展示会をすることになったんですが、予想を上回る反響を頂けました。

良くも悪くも日本では「ツバサ」自体がパワーワードなので、「あのキャプテン翼と関係があるブランドなのかな?」という先入観で見に来られた方も多かったんですが(笑)気付いたらその展示会の中で一番注文をもらっていましたね。