「W杯ベスト4」を目指す日本のために

――最後に、今後日本でどういう活動をしていきたいですか?

人生なので先のことは分かりません。今は縁があってFootbankで様々なことに携わらせてもらい、日本サッカーの向上、日本サッカー協会が掲げている「W杯ベスト4以上」という目標に合わせて、クラブのレベルを上げていくために仕事をしています。

具体的には、自分の選手としての国際経験であったり、また現役時代のチームメイトたちが今は世界各地のクラブでディレクター等を務めているので、そういった力をどのようにして日本へ“注入”できるかといったところですね。まだしばらくは日本にいると思います。


日本サッカーへの強い思いを持っているフランサ。そのあたりは、Jリーグが1年ほど前に行ったインタビューでも語られている。

フランサが所属するFootbankは、2018年1月に水戸ホーリーホックと業務提携。

フットボールマネジメント事業とシステムソリューション事業を展開しており、代表取締役の竹内一朗氏は同社が“目指すもの”について以下のように話す。

「日系企業であるこのFootbank株式会社を通じて私達は3つのことを目指しています。1つめは、サッカーという世界で一番競技人口が多いと言っても過言ではないスポーツを通じて、人々が感情を共有できる瞬間を増やすサービスを展開すること。2つめは、日本における人口層はますます外国籍が増加し、どのシーンにおいても彼らとコミュニケーションを取らなくては日本人の生活は成り立っていきません。だから、サッカーをコミュニケーションツールとしていち早くその環境に適応できるような空間を創り出すこと。3つめは、『サッカー×IT』を化学反応させて人々の幸せ向上を追求すること。我々は今や6ヵ国の国籍の者が共に働く企業となり、日々サッカーや互いの国の話をしながら自然と国際感覚を身に付けていっております。フランサが会議で日本人スタッフたちと一生懸命に日本語で対話している姿は、個人的に彼と15年来の仲ですが見たことがないので実に新鮮です(笑)」

「他人と話が盛り上がり、親密になっていくには共通の話題があるかないかがカギになります。Footbankを通じて人と人とが繋がり、感情を共有できる瞬間を生み出し続けられる企業(コミュニティ)でありたいと切に願いながらこれからも経営を邁進させていければと思っております。もちろん引き続き水戸ホーリーホックさまとの共同事業を継続させていきながら、水戸という街がより良いコミュニティになっていくことを追求し続けられればと思っております。来年こそはJ1に昇格してもらいたいです!!」

サッカークラブの運営はトップチームの強化だけでなく、会社経営や育成、地域との連携など多岐にわたっている。そこには多くの人が携わっており、だからこそ生まれる“熱”がある。J2最終節の水戸ホーリーホックのスタジアムにも、間違いなくそれがあった。

日本サッカー界のみならず地域の発展を目指すJクラブの活動をサポートする存在として、Footbankのような企業、そしてもちろんフランサの今後にも注目していきたい。

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