――三上さんはなぜFC琉球の社長になられたんですか?
実は理由というのはそれほどなくて、前社長で現在会長を務めている倉林啓士郎があまり沖縄にいることができなかったんです。
どうしても“二足の草鞋”になってしまうので、現地で常駐する人間ということで、僕が社長、廣崎圭が副社長に就任しました。役割としても2人で分けてという感じですね。
2018年の11月に沖縄に来て、2019年の6月に代表に就任しました。
――サッカーとの繋がりは?
僕は大学(筑波大)までサッカーをやっていて、その時にサッカーを通していろいろな世界を見たのが大きかったです。
大学の時の監督が、風間八宏さんだったんです。彼との出会いが大きかったですね。あんなにスゴイ人は見たことがありません。
――どういうところで刺激を受けましたか?
言葉を持っているところ、そしてブレないところ。そこは風間さんが突出しているところだと思います。
――社長になってみて分かったことは?
会える人の幅が広がりました。あと、サッカーでお金を稼ぐためには何をしなければいけないかが少しずつ分かってきました。やはりサッカーをやっているだけではお金が入ってこないので、どう地域に還元して、根付くか。そこかなと思います。
――三上さんは社長として具体的にどこを強化していきたいですか?
パートナー企業に出していただいたお金を、どのように生かすか、ですね。今までは広告露出がすべてだったと思うんですけど今はそういうことはなくて、名前が売れればすべて成功するというほど、世の中甘くありません。
彼らの求めているニーズにきちんと応える。たとえば従業員の満足度を高めたい企業、リクルーティングに役立てたいという企業であればそういうことを一緒にやる。具体的なことをやっていかないと、なかなかお金は集まらないなと。
――Jリーグの「シャレン」の取り組みなどにも通じる部分ですね。
サッカー自体の価値が僕は正直そこまで高くないと思うんです。日本では我々が思っているよりも。だから「サッカークラブです。J2です。お金を出してください」というほど甘くないです。それは実際に感じています。
これがバルサとかであれば違うんでしょうけど(笑)。すでにお客さんが10万人入るスタジアムがあり、大観衆の中で試合が行われ、国民的な文化になっている。
箱根駅伝とかはその領域だと思うんです。それに比べるとサッカーはまだまだですね。