(テュラムの息子ということで、より大きな要求をされたことは?)
そう思ったことはないよ。むしろ『お前はもっとできるだろう』と言われていると思っていた。
トレーニングセンターのコーチも、僕にはいつも多くのことを期待してきた。そして、僕も自分に大きな期待を寄せているんだ。
(守備とヘディングが嫌いだったそうだね)
昔はね。他の人より背が高かったけど、頭を出したくなかった。
空中からボールが来たら『マトリックス』をやっていたよ(笑)美しくないと思っていた。ドリブルするために足で遊びたかったよ。
でも、父親が言ったんだ。『背が高いのに頭でプレーしないのは恥ずかしいことだ』とね。
彼はそれについていろいろ説明してくれたよ。クロスやセットプレーについて。それが中心となる拮抗した試合について。
『お前は並外れた武器を持っているんだぞ。背が高いというね。頭でプレーしたくないということで、それを台無しにするのか』と。
(今やブンデスリーガで活躍するストライカーだ。ソショーでデビューしてから遥かに高い所まで来たね)
1ヶ月前、僕は父に言ったんだ。『パパ、いつか悪いことが起こるんじゃないかと思うよ。乗り越えられないようなことが。ありえないよ、これは夢じゃないのか』と。
それを聞いた父は『それが夢だと分かっているのなら、何が起こっているかは知っているのだろう。何も起こりはしないさ』と答えたんだ」
哲学的な雰囲気を持っているリリアン・テュラム。やはり息子に対する言葉もなかなか深いぞ…。