――コロナ禍での開催となった2020シーズンは特殊な一年になりました。応援番組としてどんな苦労がありましたか?

中断期間中も番組はずっと放送しなければいけません。どんなことをやっていくのかであったり、緊急事態宣言中はスタジオにも入ることができなかったのでリモートで番組をやらせてもらったりしました。それはスタッフさんのほうが大変だったと思います。

そしてリーグが再開されたと思ったら、22連戦という激動の試合数。インタビューが直接できないなどのもどかしさもありました。リモートでの取材もタイムラグがあったりで、難しさは否めませんでした。

今でも選手の皆さんと直接お話しできる機会はありません。直接話をしていると雑談などでチームの雰囲気を感じることができましたがそれもできないので、応援番組として観てくださっているファン・サポーターのために何ができるのか、これからも考えていかなければならないと思います。

――小山さんは『キクマリ』のMCとして今年で7年目になります。これまでの6年間で特に印象に残っている試合は?

6年間で2回、優勝を逃す経験をしました。2017シーズンの天皇杯と2018シーズンのYBCルヴァンカップ。ここまで来たらいける!と思って臨んだ決勝で敗れて準優勝に終わり、悔しい思いをしていたことは印象に残っています。

だからこそ、2019シーズンのリーグ優勝は本当に嬉しかったです。

それも、優勝を決めた最終節のFC東京戦よりも、一つ前の川崎フロンターレ戦。あの試合は爽快でした。それまで等々力での試合は悔しさしかなくて、毎回やられてきたイメージだったんです。

試合後にインタビューさせていただく際も、やはりどこかどんよりとした空気で、選手の皆さんから悔しさが伝わってきました。ファン・サポーターの皆さんも今まで等々力で何度も悔しい思いをしてきたと思います。

そうした中での、あの勝利。等々力の試合で優勝が決まったわけではないのですが、「これこそ本当の王者だな」と感じました。フロンターレにあのような形で勝てたことは一番印象に残っているかもしれません。

試合前のゴール裏の雰囲気もすごかったんですよ。ピッチ脇から見ていたんですが、感動して泣きそうでした。優勝へ向かう皆さんの思いが伝わってきましたし、「あ、今年こそ優勝できるんだ」という実感が湧いてきた瞬間でもありました。