「ヤバい先輩」に学んだ“半端ない”メンタリティ

――シーズンを振り返るのはまだ早いですが、今季で一番記憶に残るゴールは?

前期のASラランジャ京都戦でハットトリックを決めましたが、その1点目のミドルシュートですね。会心の一撃でした。

シュートにはすごくこだわりがあります。その中にあるパターンの1つで、まさに「パーフェクト系」でした。

「最も気持ちがこもったシュート」という点では、たけびしスタジアムで行われたCento Cuore HARIMA戦でのゴールですね。2点決めましたが、その1点目となったヘディングです。

【動画】Cento Cuore HARIMA戦の前半27分、青戸翔選手が追加点となるヘディングを叩き込む

――同じFWのポジションにはJリーグでも実績がある原一樹選手がいますね。どういう存在ですか?

とても参考になりますね。アドバイスもくれますし、一樹さんのYouTubeも見ましたよ。頭を使ってプレーしていますし、相手を見てポジションを取りますし、なおかつシュートもうまい。全部がすごいです。

メンタルの面で「あぁ、フォワードやなぁ」と思いますね。考え方もそうですし、コミュニケーションのとり方。「ここにくれ」という要求も。そして、ここぞという時の集中力もすごいです。

――そういえば、あのCento Cuore HARIMA戦では最後に原一樹選手の見事なゴールが決まりましたね。

あれはヤバいですよ!あのあと、頭の中で何度もイメージトレーニングしました。そろそろ僕もあれくらいのものを出さないと。うまいですね、自分でプレーのゾーンを作ってあのシュート。スローモーションに見えました。

もう一つ凄いのは、やはり精神力ですよ。あの時にはすでに自分の中で現役引退を決めていて、最後の西京極での試合。色々馴染みがある方を呼んでいたと思うんです。

そこであれをやるメンタリティ。あの試合の流れでやるところも、なおさら「半端ない」です。フォワードはメンタル次第のところもあるので、考え方などを見て、本当に尊敬しています。

――おこしやす京都ACのメンバーはどうですか?

とてもやりやすいですし、自分を分かってくれていますね。試合を重ねるうちに、人の癖を理解したり、連携が高まったり、目を合わせるだけで分かることが増えてきました。

ボールが欲しいタイミングで出してくれる、動き出しを見てくれる。それを信じて、自分はボックスで待っています。

特に康平くん(高橋康平選手)とは目が合いますね。そういうことを心がけていますから。他にも直人くん(平石直人選手)、イナくん(稲垣雄太選手)もですね。

ゴールを喜ぶ稲垣雄太選手と青戸翔選手
――11月にはJFL昇格を賭けた地域CL(地域サッカーチャンピオンズリーグ)があります。どんなイメージがありますか?

イメージは…3日連続の試合ってことですね!キツそうですけど、何とかなるんじゃないかなと思っています。とにかく自分の仕事をやるだけです。

サッカー選手は「ピッチで恩返しをする職業」だと思っています。結果にこだわって、自分のゴールで勝利に導きたいです。そうすればチームも勢いに乗ってくれると思います。みんなのために走って、点を決めたいですね!

――ありがとうございました!

青戸翔選手の活躍もあり、関西サッカーリーグ1部で優勝を果たしたおこしやす京都AC。

しかし目標はあくまでもJFLへの昇格。その切符を獲得するための「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2021」は、11月12日(金)から1次ラウンドが開幕する予定となっている。

おこしやす京都ACは岩手県盛岡市のいわぎんスタジアムでコバルトーレ女川(東北1位)、Criacao Shinjuku(関東1位)、FCバレイン下関(中国2位:輪番枠)と対戦することが決まった。そこで1位、あるいは2位の中で成績上位の1チームに入ることができれば、11月23日から始まる決勝ラウンドへと進出できる。

さらにそこで2位以内に入ることで、JFLへの昇格権を争う入れ替え戦(J3に昇格したクラブの数によって自動昇格になる可能性もある)への出場が決まる。夢の実現に向けてまだまだ厳しい戦いが残るなか、「エース」青戸翔の活躍は欠かせないものになるはずだ。

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