巷では禁断の移籍と言われているが…

福島県内のJリーグクラブである福島といわきはライバル関係にあり、堂鼻のいわき加入は両チームのJリーグ参入後では初めての移籍となった。背番号27はステップアップの経緯を語った。

「福島ではキャプテンもやらせてもらったんですけど、1個カテゴリーが上がったJ2の舞台で自分がどれくらいできるのか。自分の実力を知りたいから挑戦したい思いがありました。それで(いわき加入を)決めさせてもらいました」

SNS上では福島で主将を務めた大黒柱が宿敵に渡ったため、「禁断の移籍」という投稿も見かけた。

「今シーズンは(福島のJ2)昇格を目指してやってきた中で、途中で抜けてしまうことはチームメイト、クラブスタッフ、ファン・サポーターには本当に申し訳なく思っています。それでも自分がしっかり迷った中で決めた決断なので、いわきに来て結果を残せるようにやっていきたいと思っています。

福島県内での移籍は良く思われないこともあると思うんですけど、その中でもサッカー選手として自分が成長するため、もっと上に行くために選んだ決断。福島の方々には3年半応援してもらって申し訳なく思っているんですけど、自分のステップアップ、自分の成長を見てもらって恩返しじゃないですけど、できたらいいなと思っています」と前を向いた。

背番号27の加入は多くのいわきサポーターから歓迎されており、期待の新戦力として大きく注目されていた。堂鼻がJ2初ゴールを決めるとサポーターは「かずき、かずき」と名前を叫んだ。

「(いわきサポーターの声援は)迫力もありましたし、試合中もしっかり(声援が)届いていたので力になりました。あまり『かずき』と呼ばれていないので、ちょっと慣れない感じはあったんですけど(苦笑)。素直に応援してくれて、名前を呼んでもらえるだけでうれしいので良かったです(笑)」と屈託のない笑顔を見せた。

J2は約3週間の中断期間に入り、新加入選手たちはこの期間内に順応することが求められる。背番号27は「まずはこの中断期間でしっかりパワーアップして、中断明け後に巻き返していけるようにやっていきたいと思います」と闘志を燃やした。

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3連敗と低迷していたチームを救った新戦力は攻守に存在感を見せて、サポーターの期待に応えた。フィジカルトレーニングに定評があるいわきで堂鼻は、どのような進化を遂げるのか目が離せない。

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