仙台で成長し、未来へつなげる

先月29日にAリーグ・メン(オーストラリア1部相当)のウェリントン・フェニックスに完全移籍した元日本代表MF長澤和輝と中盤でコンビを組んでいた松井だったが、この日はより攻撃的なMF鎌田大夢(ひろむ)と2ボランチを形成した。

「大夢は攻撃と守備でいったら攻撃的。そこは僕がうまく守備のカバーをしながら、彼が生きるポジショニングを取って(ボールを)もらっていました。大夢は前へスルスルと行けるので、試合前から『ちょっと前目で行っていいよ』という話をしていた。うまくいい関係を作れたと思います」と振り返った。

サイドにも顔を出して守備をする松井

長澤から位置取りの極意を教わり、攻守において的確なポジショニングを覚えた。この日も攻守の切り替えが発生すれば、好位置から球際へ身体を寄せてデュエルに勝利した。新ボランチコンビも機能し、仙台サポーターからも「大夢と蓮之のコンビに希望を持てた」と期待を寄せる声があった。それでも松井は一切満足していない。

「うまくチームが回っていないときの声かけであったりと、きょうの試合を含めて少しできていないと思います。(長澤)和輝さんはコミュニケーション能力に長けていて、試合の流れを読む力があった。僕はそこがまだまだ。うまく練習中から同じボランチの人とコミュニケーションをとりながらやっていきたいです」と反省を口にし、長澤から学んだピッチ上での振る舞いを磨く。

昨季はJ1川崎フロンターレからFC町田ゼルビアに育成型期限付き移籍で加入し、J2初優勝に大きく貢献した。町田では球際の守備、出足の早いタックル、切り替えの早さが成長し、仙台では的確な位置取り、高い位置からのインターセプトやバイタル前でのパスの質を伸ばしつつある。所属元の川崎で活躍する青写真は見え始めているようだ。

「どう川崎で活躍するか、見せながらプレーしています。僕が足らないところは攻撃の部分。川崎は攻撃的で魅力的なサッカーなので、僕のいまの力と比べるとまだまだのクオリティーだと思う。そこはもっと仙台で短所の部分を伸ばしていきたいと思います」と攻撃面の成長を誓った。

いわきFW有馬幸太郎(右)をなぎ倒してボールを奪った松井

仙台は2試合ぶりの白星により勝点を50に伸ばし、順位をJ1昇格プレーオフ圏内の4位へ上げた。3位のV・ファーレン長崎との勝点差は3点に迫っており、さらなる上位進出も見えてきた。

松井は「こういう試合をしたあとの次の試合は難しいとチーム全体が分かっています。いい試合をしたあとの試合は、なかなかいい結果が出せません。昇格するためには絶対に連勝が必要になってきますし、残りの少ない試合をできればずっと連勝でやっていければ自動昇格も見えてくると思う。この流れを断ち切らず、連勝していきたいと思います」と気を引き締めた。

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次節は7日午後7時にアウェー・正田醤油スタジアム群馬でザスパクサツ群馬と対戦する。4季ぶりのJ1復帰に向けて、成長著しい仙台の背番号6がチームを連勝街道へと導く。

(取材・文 高橋アオ)

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