ビジネスの窮地を切り拓いた「元Jリーガー」の経験
――日本人学生のレベルや特徴についてはどのように感じていますか?
日本人は、小さい頃からボールを止めて蹴る反復練習をやっていて、技術力に優れている点が特徴です。
大柄な外国人選手にはない細かなステップワークや俊敏さも持ち併せていますし、そのような日本人選手の特徴を活かして、活躍出来る環境が整っているように感じました。
「アメリカの大学に、日本人留学生を連れてきたら面白いかも……」という閃きが、僕が会社を立ち上げることになった原点でもあるんです。
――さまざまな大学へのコネクションをお持ちですが、それらはどのように作り上げていったのでしょう?
僕はアメリカに知人もいなかったので、文字通りゼロからのスタートでした。何とか予算を捻出して全米の大学に足を運び、色々な監督と直接お話をさせてもらったからこそ今があるんです。
一昨年のカタールW杯で日本代表がドイツ代表やスペイン代表に勝利したこともあって、最近はちょっとした「日本人選手ブーム」が起こっているんですけど、僕が事業を始めた10年前は、正直言って日本人の評価はまだそこまで高くはありませんでした。
最初は日本人選手の実力に対して懐疑的な見方をされたこともありましたけど、「日本のJリーグでプレーしていた元プロ選手だった」ことを伝えると、僕の話を聞いてくれて。そこから2〜3年くらいかけてさまざまな場所に出向き、徐々に関係を築き上げていきました。
「元サッカー選手」の肩書きが嫌で仕方ない時期もありましたけど、結果としてFC東京に在籍していた時間が、窮地の僕を救ってくれた。今となってはチームやサッカーに本当に感謝しています。
(後編へ続く)