誰が監督になるか分かりません
先制弾で水を得た日本女子代表。攻撃時は4-2-4の布陣で韓国ゴールを攻め立て、わずか5分の間に2得点を奪取。後半11分にはMF谷川萌々子(スウェーデン女子1部ローゼンゴード)が4得点目となるダメ押し弾を決めて、相手に付け入る隙を与えず圧勝した。
長谷川は相手をいなす、交わす、そしてパスで攻撃をけん引すると、守備面でもチームに貢献。素早い切り替えからのボール奪取で、相手チームから攻撃の芽を摘み続け、後半23分の交代まで国立の女王であり続けた。
「ポジティブな内容だった」と背番号14は振り返る一方で、今後の課題を口にした。
「世界大会を経験してきた中で、きょうのプレスの行き方ではやられるシーンが絶対にあると思いました。もっと戦術的にサッカーをやってくる相手になれば、難しい試合も出てくると感じています。良かった点はポジティブに捉えますが、ここからもう1個強度を上げていき、守備の部分でも個人の戦術理解度を高めていかないといけない」
なでしこジャパンで90試合目を達成した27歳に慢心はない。2017年から国を背負い、これまで高倉麻子監督、池田太前監督、そして佐々木監督代行からパフォーマンスを評価されてきた長谷川は、次期監督の下でも輝きを放ちたい。
「(今後)誰が出るか、誰が招集されるか分からない状況でしたが、これからのなでしこが掲げるコンセプトを出せたと思います。誰が監督になるか分かりませんが、この勢いや前から行く姿勢を、次もつなげていきたいです」
今後は27日、翌28日に国内でトレーニングを実施し、29日に行われる韓国女子代表とのトレーニングマッチ(非公開)を行う予定だ。限りある時間の中で、個人のアピールとチームの練度を高めたい。
背番号14は「紅白戦ではうまくいかなかったり、前からプレスしたときに簡単にはがされる場面がありました。きょうの試合だけではなくて、3日間の練習から課題に取り組んでいきたい。プレッシャーに行く場面を全体で把握できるようにしたいです」と守備面の改善をチームに呼びかけた。
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2027年に向けたスタメン争いは既に始まっている。なでしこの主軸に成長した長谷川は、2度目のW杯優勝に向けて走り出した。
(取材・文 浅野凜太郎)