11日、バーミンガムFW横山歩夢がFAカップ3回戦のリンカーン・シティ戦で電光石火のゴールを決めた。

1871年に創設された英FAカップは世界最古のカップ戦とされ、世界的強豪チームと下部チームとの対戦が醍醐味のひとつだ。

同点で90分を終えた場合にリプレイ(再試合)を行う独特なルールもあったが、2018年から段階的に廃止された。

再試合の廃止は「UEFAの大会拡大による日程変更」や選手の福祉を考えた結果だったが、再試合は下部チームが大きな収益を手にするチャンスでもあった。

12日に行われたFAカップ3回戦のトッテナム対5部タムワース戦も物議を醸している。

90分を終えて0-0のスコアだったため、これまでなら再試合となっていたはずだが、延長戦の末に格上であるトッテナムが3-0で勝利した。

もし、再試合になっていた場合、タムワースは80万ポンド(1.5億円)の収益を得られていた可能性があるという。元イングランド代表FWギャリー・リネカーは『BBC』の試合中継で「再試合を廃止するなら延長戦も廃止すべき。なぜなら、延長戦は強いチームに有利だからだ」と述べた。

トッテナム戦がPK戦になっていたら番狂わせが起きた可能性があるため、『BBC』や『The Times』によれば、FAカップは延長戦廃止を検討するという。来季以降は90分で決着がつかなかった場合には即PK戦を行う可能性もあるとか。

7部マックルズフィールド・タウンのロビー・サヴェージ監督が「再試合は利益をもたらすのに、ないことで誰の利益になるのか? より大きなクラブが得するんだろ? FAカップの魔法は再試合とジャイアントキリングにある。馬鹿げている。再試合を復活させろ」と述べるなど下部リーグの関係者は、再試合廃止を批判している。ただ、再試合の再導入はありえないとのこと。

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トッテナムのアンジェ・ポステコグルー監督も「気持ちはわかるが、私は試合を少なくすることを訴えてきたので、これはバランスをとるものだ。現状のカレンダーでは、もう1試合入れるのはほぼ不可能」と語っている。

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