藤野あおば
サイドアタッカーとしては今大会、ゴールも決めた浜野まいかの活躍が光ったが、ここでは浜野と逆サイドでプレーすることが多かった藤野あおばの名前を挙げたい。
駆け引きを含めた深みのある“巧さ”(狡猾さとも言う)に長け、相手の嫌がるプレーをやり続けることができる浜野に対し、藤野は技術面とフィジカル面でより無理がきく21歳。
なでしこで希少なドリブラー気質の選手でもあり、強烈なシュートなど個としての打開力はチームで一、二を争う存在だ。ノーゴールに終わった今大会でも最後のアメリカ戦、ドリブルで中央へ切れ込み決勝点につながるフリーキックを獲得している。
藤野はパリ五輪後に移籍したマンチェスター・シティでウィンガーとして着実に成長中。浜野や今回なでしこデビューを飾った松窪真心といった同じ2004年生まれの選手たちと切磋琢磨しつつ、チームの中心となっていくことを期待したい。
古賀塔子
2023年のアジア競技大会、まだ17歳だったにもかかわらず全試合に先発出場し、日本の2連覇に貢献した古賀塔子。
当時から「女子版・冨安健洋」と評されていたが、今回のSheBelieves Cupではセンターバックに加えて左右の両サイドバックで出場。まさに冨安のようなプレーぶりで3試合2失点の守備に貢献した。
卓越した守備能力に加え、足もとも安定。ボールを運ぶこともできるため高い位置でのプレーも苦にせず、最後のアメリカ戦ではセットプレーの流れから決勝点まで決めてしまった。
所属のフェイエノールトではボランチでも起用されており、今季ここまで15試合で3ゴールを記録。これからのなでしこを担う19歳の未来には、無限の可能性が広がっている。