敗戦をバネに今季初白星をファンに届ける
後半18分には相手枠内シュートを右手1本でスーパーセーブを見せるなど、プロデビュー戦とは思えないパフォーマンスでゴールを死守。184センチの身長を目一杯使ったハイボール処理で数的不利のチームを救い続けた。
ただ今治の猛攻は時間の経過とともに鋭さを増していき、後半37分にセットプレーの流れから相手のミドルシュートを弾き出すも、クリアボールからクロス性のシュートを処理し切れずに痛恨の失点を喫した。
体を張って奮闘し続けた松本は「(シュートの)軌道が変わったというか、ちょっと伸びてきて…。そこに上手く対応しきれなかったという部分があります」と肩を落とした。
試合終盤の被弾に一人少ない赤きイレブンは反撃の余力がなく、この失点が決勝点となってしまった。試合後にたった一つのミスで勝点を逃す悔しさから涙を流した守護神は、田村雄三監督から叱咤激励を受けたという。
逆境の中でのプロデビュー戦となったが、 それでも観客3818人の大歓声の中でプレーできた経験は大きな財産だ。
「たくさんのファンの方がいる中での試合は初めてでした。すごく力強い声援も自分のパワーにできました。これだけの環境でやれていることをしっかり感謝して、ファン・サポーターの皆さんに勝利を届けたいですね。
自分たちも勝点3をほしいと思っていますし、ファン・サポーターの皆さんもほしいと思っている。いい準備をして、必ず勝てるように次の試合に向けて準備していきたいです」と前を見据えた。
チームはJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦RB大宮アルディージャ戦を26日午後7時にアウェイで戦い、30日午後2時に水戸ホーリーホックと敵地で対戦する過密日程の真っただ中だ。
アウェイ連戦を総力戦で乗り切らなければいけない中、30日のリーグ戦は早坂が出場停止のため、松本の出場が見込まれる。
【インタビュー】J2いわきFC来季加入内定の仙台大DF山内琳太郎「岩渕さん、理久さんのあとに続けるように」と飛躍を誓う
ほろ苦いプロデビュー戦となってしまったが、次の出場試合で挽回しなければならない。プロ初敗戦の屈辱をバネにして、パワフルなプレーで今季初の勝ち星を松本が手中に収めてみせる。
(取材・文 高橋アオ)