古巣の期待を一身に

山形アカデミー最高傑作と称賛される男は、地元山形では大きな期待を受けている。試合後にゴール裏へあいさつに訪れた際、万雷の拍手で迎い入れられた。

山形サポーターが集うゴール裏であいさつする半田

半田は「まず天皇杯の(トーナメントの)山を見たときに、多分当たるかなと楽しみにしていました。それが実現して、山形に帰って来れてすごくうれしかったです。 サポーターの皆さんも最後あいさつに行ったとき、山形時代の自分のユニホームをたくさん持って温かく迎えてくださったので、すごくうれしかったですね」と笑みをこぼした。

老若男女を問わず「陸ー!」と名前を叫ばれ、「頑張れ」と温かい言葉をかけられた半田の表情は満面の笑みだった。

山形出身の選手として、集まる期待の重さや意味をしっかりと理解している。

「山形県民の皆さんに勇気を与えられるような…プレーではそんなに伝わらないと思うので、結果を伝えていければと思います。サッカー少年少女たちのお手本に目標になれるような選手に。これからどんなところへ行っても、全力でやっていければと思います」と果たすべき義務を力強く口にした。

チームの残すコンペティションはリーグ戦のみとなり、現在の順位は20チーム中10位と上位進出を虎視眈々と狙っている状況だ。

「天皇杯もルヴァン(杯)も負けて、リーグ戦にいい意味で集中できる。全員でリーグ戦に向けて、連戦ですけど、しっかり回復してやっていければと思います」と前を見据えた。

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モンテディオ山形アカデミーが生んだ最高傑作は西の名門で力強く躍動している。いつの日かサムライブルーを身に着けて、自身を応援する人々に勇気や元気を届けたい。

(取材・文・撮影 高橋アオ)

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