頭でも決められるとアピール
あの日犯した失態は結果で返すしかない。
この日、先発出場したカルリーニョスは攻めればワンタッチプレーで攻撃にリズムを生み出し、守れば身を粉にしたスライディングタックルでカウンターの芽を摘んだ。国立での雪辱を果たすべく、「きょうはハートで戦う」と難敵に挑んだ。
そして果敢な姿勢が実り、あの日ほしかった頭での得点が決まった。14試合ぶりとなる待望のゴールに、カルリーニョスは喜びを爆発させた。
カルリーニョスは「前回はヘディングをしようとした矢先に手が出てしまいましたが、今回は自分のヘディングで勝つことができた。まるでプログラミングされたような展開だと思います。自分は『頭でもゴールを決められる』という特徴のアピールにもなったと思います」と笑みを浮かべた。
得点後はサポーターと喜びを分かちあった後、アシストを記録した田口の前でヒザをつくと、背番号4の左足を拭いて見せるパフォーマンスを披露。
勝利に導くゴールで自身の価値を証明したカルリーニョスだったが、誇るべきはチーム全員だと強調した。
「彼(田口)のスパイクを磨き上げたのは、その価値をみんなに示したかったからです。アシストはゴール以上に価値があるかもしれないので、彼には本当に感謝しています。
何よりもチームの力を見せつけた勝利だったと思いますし、それは自分のゴールよりもうれしいことです。素直に言うと、気分がいいですね」と、仲間たちと抱擁を交わした。
次節は今月16日午後7時からフクダ電子アリーナでJ2徳島ヴォルティスと対戦。17季ぶりのJ1復帰に向けて、再び強敵が立ちはだかる。
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それでもカルリーニョスは「戦う準備はできている。きょうの勝利は大きな意味のある勝ちだったし、私たちは強いチームだ」と、向かってくる敵を押しのけて進んでいく。
(取材・文 浅野凜太郎、写真 繩手猟)