1974年:フランツ・ベッケンバウアー

当時のクラブ:バイエルン・ミュンヘン

代表:西ドイツ

1972年にはゲルト・ミュラーを僅かに上回ってバロンドールを獲得したフランツ・ベッケンバウアーであるが、1974年では逆に惜しくも手が届かなかった。

バイエルン・ミュンヘンのキャプテンとしてブンデスリーガとヨーロッパカップを優勝し、さらに1974年のワールドカップでは西ドイツ代表を世界王者に導いた。まさにすべてのタイトルを総なめにしたといえる。

しかしながら、そのワールドカップで準優勝に終わったオランダのヨハン・クライフが最終的にバロンドールを手にした。

当時のサッカーに革命を起こした「トータルフットボール」の申し子であったクライフは、非常に輝かしいスタイルの選手で、高い人気を誇った。そのため、わずか11票の差でベッケンバウアーはバロンドールを逃している。

2010年:ヴェスリー・スナイデル

当時のクラブ:インテル

代表:オランダ

2010年にバロンドールを獲得したのはリオネル・メッシだった。このときの彼が世界最高の選手だったことに疑いの余地はないものの、スナイデルの活躍も見逃せないものだった。

ジョゼ・モウリーニョ監督が率いたインテルにおいて重要なプレーをし、チャンピオンズリーグ準決勝ではメッシがいるバルセロナを撃破し、決勝ではバイエルン・ミュンヘンを相手にディエゴ・ミリートのゴールをアシストした。

さらに南アフリカで開催されたワールドカップでも素晴らしいプレーを見せ、ブラジル戦とウルグアイ戦でゴールを決め、大会得点王の一人になった。

この時の1位はメッシだったが、2位のイニエスタ、3位のチャビ・エルナンデス、4位のスナイデルと非常に激戦だった。実際、記者票の1位はこのスナイデルで、2位はイニエスタだった。