キャプテンが語ったチームの課題

開幕4連敗で始まった苦しいシーズンだった。

岩政大樹前監督の下で1年でのJ1復帰を目指したが、第25節終了時点で10勝4分11敗と成績が振るわず。

同監督の契約解除が発表された今年8月11日からチームを率いていた柴田慎吾監督は「J1昇格の可能性がゼロになってしまったことを含めて、ただただ残念ですし、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と失意の表情を浮かべた。

今季途中より就任した柴田監督

指揮官は「チームがうまくいっていない中で、クラブが監督を交代する決断をしたということは、J1昇格が一番のミッションだったということ。そのミッションを達成できなかったところが心残りというか、すべてかなと…。自分自身が至らず、力不足だったと思っています」と肩を落とした。

試合後の記者会見では、振り絞るように言葉をつむいだ柴田監督。就任後はJ1昇格に向けて奮闘したが、4勝6敗と上位争いに食い込めなかった。

重苦しい雰囲気に包まれた札幌のロッカールーム。主将としてここまでチームを引っ張ってきた高嶺は、きびしい言葉をイレブンに投げかけた。

ビルドアップに貢献した高嶺

「もっと、もっとサッカーに対して真摯に取り組んでいかないと、人生をかけてやっていかないといけない。またJ2で何度も過ごして、自分たちのキャリアをもったいないものにしてしまうと話しました。練習からもそうだし、練習前の準備や私生活のところで、もっと選手一人、一人がサッカーのために生活することで、練習の質も高まる。

結局一人、一人が変わらないことには、チームとしては変わっていかない。一人が頑張ったところで、その一人の力は大きくないので…。日本代表になりたいとか、目標から逆算して日々を過ごしていくようにと伝えました」

報道陣の前で、唇をかみしめながらチームの問題点を指摘したキャプテン。1年でのJ1復帰はついえたが、札幌のリーグ戦は続く。

ドリブル突破から局面を打開した高嶺

次節は今月8日午後2時からホームの大和ハウスプレミストドームで大分トリニータと対戦。指揮官は「本当にプロとして、男としてしっかりと応えなきゃいけない」と、ホームのサポーターに勝ち星を届けたい。高嶺も同じ覚悟だ。

フクアリに詰めかけた大勢の札幌サポーターに向かって、頭を下げたイレブン。その先頭に立ったキャプテンは、サポーターからの𠮟咤激励を力に変える。

「サポーターからは、『コンサドーレがすべてだ』と話をしてもらいました。普通はブーイングの試合だったと思うし、かなり点差をつけられたショッキングな敗戦だったので、サポーターには申し訳ない気持ちでいっぱいです。その想いに残り3試合で必ず応えなきゃいけないと思うし、来年に希望を持ってもらえるような試合をやらなきゃいけない」

フクアリに詰めかけた約2400人の札幌サポーター

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このままでは終われない。札幌はJ2残り3試合で一つでも多くの白星を飾り、来季に向けて自分たちの力を証明してみせる。

(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟)

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