「それでもフェリポンなら、きっと何とかしてくれる」
もう一つ、どうしても触れなければならないのは、今回の開催国であるブラジルです。
もう当たり前のように「優勝が義務」、当然予想でも大本命、でしょうが……。
<表7> 過去の「午年」W杯でのブラジルの成績
6大会全部に出場はさすがですが、20世紀中の5大会では3位1回のみという、ちょっと信じられないほどの不振でした。1930年はW杯初試合でユーゴに負けたのが響き、1954年は準々決勝でマジック・マジャールに粉砕され、1966年は前後3大会で優勝だったのにペレとガリンシャが徹底マークされて沈みました。1978年は2次リーグを2勝1分で終えたのに、最終節を後から戦ってペルーに6-0で圧勝したアルゼンチンに得失点差で抜かれ、5大会ぶりの優勝を目指した1990年はそのアルゼンチンを決勝トーナメント1回戦で圧倒的に押し込みながらもマラドーナ→カニーヒアのスルーパス1本で仕留められました。
ただし、2002年に「午年マイスター」のドイツを決勝戦での直接対決で下した優勝監督、ことルイス・フェリペ・スコラーリが、この2014年に向けてセレソンに戻ってきました。今までのハンディを跳ね返してくれた「フェリポン」の手腕にもう一度、ブラジル国民は期待しているでしょう。
セレソンファンにとってもう一つ気になるのは、開催国の結果。
各大会の開催国と上位4位までの一覧もまとめました。
<表8> 過去の「午年」W杯での上位4ヶ国の一覧表
6大会のうち、開催国優勝は3回。準々決勝で負けた1954年のスイスを除き、ベスト4を逃したチームはありません。この辺はさすがに「地元有利」です。ただ、最近2回は開催国が準決勝で負けているのは、ブラジルにとっては嫌なデータでしょう。また、ウルグアイは1930年・第1回大会での自国開催優勝に続いて1954年で4位ですが、その後は振るわず。
この他、上で挙げなかった強豪国もあまり目立たないのが分かります。1978年のオランダ準優勝ぐらいですね。本大会ベスト4以上が4度のスウェーデンに至っては欧州予選で消えました。新勢力の台頭も難しそうです。