日本ではありえない?深刻な資金難

そして、招集以上に大きな問題になっているのが、ナイジェリアサッカー連盟の資金難である。

フル代表にも資金が回らない状態であるわけで、当然五輪代表にはそれ以上だ。アトランタでのキャンプでは多くのトラブルが続発した。

監督のサムソン・シアシア氏は、度々資金が届かないことを訴えた。自身の給与はすでに5ヶ月滞納されており、このままではメダルどころではないと。

それに加えてシアシア氏は車上荒しの被害に遭い、現金や携帯電話を盗まれている。踏んだり蹴ったりである。

一時はメディアから「ミケルがチームの経費として3万ドルを寄付した」という噂が伝えられ、本人がそれを否定した。

しかし、選手が滞在費や交通費を負担していることは事実であるようで、土曜日にはその支払いが拒否されたため練習場へのバスが動かなかったとも。

そして極めつけは現地入りの遅延だ。

当初は金曜日にマナウスへ入るはずだったが、連盟がチケットを調達できなかったために遅れに遅れた。最終的に飛行機が飛ぶと言われたのは試合当日、到着は試合7時間前(これを書いている時点でそれすらも確定していない)。

当然ながらそのコンディションは最悪に近いとメディアによって伝えられており、『悪夢』とも書かれているほど。「ドリームチーム」なのに・・・。

なお、唯一DFウィリアム・トロースト=エコングだけはクラブのキャンプから直接マナウス入りしており、ずっと仲間の到着を待っている状況にあったようだ。その心境たるや想像しがたいものがある。

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