2. 偽9番

今季印象的なスタートを切ったリヴァプールやアーセナルは、センターフォワードを配置しないことが多い。

昨夏、ロベルト・フィルミーノはクリスティアン・ベンテケやダニエル・スターリッジにアシストを提供する攻撃的MFとしてリヴァプールにやってきた。だが、ユルゲン・クロップ監督はベンテケを売却したほか、スターリッジを好まずフィルミーノを9番のレギュラーとして起用している。

このブラジル人は違いをもたらせるビーストだ。よりダイナミックになり、よりセルフレスになり、プレスのスタート役としても更によくなり、ゴールスコアラーとしても成長している。

同じようにアーセナルもアレクシス・サンチェスを最前線に配置している。加入当初はこのポジションで時折起用されていたが、この2年間は主に左にポジションをとる攻撃的MFとして過ごしてきた。

アーセン・ヴェンゲル監督がアレクシスを最前線で起用したことで、アーセナルの攻撃に違う次元がもたらされた。プレーを賢くつなぐために深い位置に落ちてくる一方で、サンダーランド戦ではパワフルなヘッドでゴールを奪い典型的なセンターフォワードのスキルも見せつけている。

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