昨季はレスターが波乱を起こしたプレミアリーグ。今季は混戦模様を呈しており、そのなかでチェルシーやトッテナムが3バックを導入したことも話題だ。

そんななか、『Guardian』では「今季のここまでのプレミアリーグで、キーとなっている戦術的トレンド」という話題を伝えていた。

1. プレッシング

数年前のフットボール界において、最も話題になったコンセプトはポゼッションだった。それ以後はポゼッションをベースとしたアプローチから、よりプレッシングへと注目が集まってきている。

マウリシオ・ポチェッティーノのサウサンプトンやトッテナムは、ボールを素早く奪い獲るために、高い位置からのプレッシングを志向してきた。また、クロップはボールロストした直後にすぐさま奪い返すカウンタープレッシングを一般化した。グアルディオラもまた高い位置で封殺する重要性を強調している。

その彼らが対戦した試合は殺気立ったものになった。

どちらが相手をシャットダウンするかというの争いとして、トッテナムがマンチェスター・シティを2-0で撃破した一戦は顕著だった。また、1-1のドローとなったノースロンドン・ダービーでも、鋭いパス交換よりも相手のプレーを阻害することに注力していた。

ヘビーなプレッシングと技術的な質を備えた試合は見る者を虜にするかもしれない。ただ、プレミアリーグの試合がクリエイトすることよりも台無しにする(相手を潰す?壊す?)ことがベースになりすぎる恐れがある。

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