編集部H:「本田時代から、群雄割拠の戦国時代へ」
今回の代表戦は、ワールドカップ出場を決めてから最初の日本開催となる。
ここからロシア大会に向け本番仕様にチームを作り上げていくことになるが、相手がニュージーランド、ハイチであることを考慮すると、セレモニー的な意味合いが強い試合となるかもしれない。
その中で何を見どころとするか。折しも衆議院が解散し22日に選挙が行われるが、私が注目しているのは、日本サッカーにおける「新しい時代の旗手」が誰になるかである。
オーストラリア戦での勝利は、誤解を恐れずに言えば「本田時代」の終焉を確かに告げるものだった。
不調に陥った中村俊輔を追いやり、2010年ワールドカップで日本をベスト16に導いた彼は、その圧倒的なカリスマ性と平均的な日本人とかけ離れた特性によって、我が国サッカー界の歴史そのものを塗り替えた。2014年のワールドカップ敗退を境に求心力はやや低下したものの、それでも、彼のいない「サムライブルー」は廃刀令によって刀を失った武士であるかのようであった。
しかし、オーストラリア戦では本田に加え、岡崎、香川と、2010年以降の日本を支えてきた選手たちがベンチから見守る中、完勝に近い内容でワールドカップ行きを手にした。数日後、最終節のサウジアラビア戦で先発起用された本田は、見せ場なく前半で交代している。
今回、本田、岡崎は休養を与えられた形だが、もし彼らが絶対的な存在なら外れることはなかっただろう。本田が「将軍」として支配していた時代は幕を閉じ、新たに誰が「天下」を取るかの戦国時代に突入したのである。
「我こそが日本なり」、それを体で以って示す選手が今回の2試合で現れることに期待している。