強い決意で、「影」から得点王を目指す
正直、2部へ自動降格した伊賀に、代表クラスの実力を持つ杉田亜未が残留したことはかなりの驚きだった。
ただ「葛藤があった」と話しながらも「チームに残留することもチャレンジ」と目の前で話してくれた現在の杉田には、揺らぎのない強い決意が感じられた。
また、インタビュー中でも、「得点王を狙う」という部分では、他チームの点取り屋たちを意識しており「本気」を感じさせてくれた。
今季の杉田は“シャドー”のポジションでプレーしている。
FC吉備国際大学Charme時代も同様の役割でプレーしており、伊賀に加入後もシステムは違えど似たようなポジションで起用されていた時期もあった。
ただ、2014年に伊賀へ加入した当初は現役を引退した元日本代表MF宮本ともみの後継者のような役割も与えられ、ボランチとしてプレーしていたこともあったし、最も長く定着していたのは左サイドMFだった。そして、昨年の代表チームでは、サイドバックやウイングバックで起用された。
また、前述したように、杉田は野田前監督時代にFWとして固定されていた。チームとしては2部降格という結果に終わったが、彼女自身のパフォーマンスのスケ―ルはかなり大きくなったように見える。
ノジマステラ神奈川相模原所属の日本代表DF高木ひかりが「最も怖い選手」に杉田亜未を挙げ「ボールが奪えない」と言うように、なでしこリーグ1部のDF陣でも彼女から1対1でボールを奪える選手は皆無に等しい。