モンゴルから怪物的なFWは出現するのか

ーーその朝青龍さんといえば、大相撲の長い歴史においても有数の身体能力で知られた横綱でした。日本のサッカーファンはモンゴルのサッカー界にそんな怪物的な選手が出てくるのか気になっているのではないかと思いますが、実際にDFとしてプレーされていてモンゴル人選手の特徴はどうですか?

ひと言でいうと「強い」「速い」ですね。簡単なミスはあるんですが、とんでもないシュートぶち込んできます。

身体能力については、普段の食事が肉中心なのでしっかりトレーニングしてれば闘える身体にはなります。ただ、リーグのなかにはトレーニングが足りず、腹出てる選手もいますが(笑)。

基本的に身体をぶつける、闘うのが大好きな国民性なんです。

ーーそうした身体能力が高い相手に、佐々木さんはDFとしてどのように対応していらっしゃるのでしょうか?

言葉は悪いですが、僕は殺すつもりで球際や空中戦を戦ってます(笑)。

ーー殺すつもり…朝青龍さんっぽい(笑)

ドルジさんもそう言ってました(笑) あと、現地の言葉で統率することですね。

彼らは自分達の国に誇りを持っています。だから現地の言葉が話せる僕はドルジさんにもモンゴルの人にもよくしてもらえているという感じはします。

ーーではズバリ、近い将来モンゴルから朝青龍さんのような怪物的なFWというか、世界のトップリーグで活躍する選手が出てきますか?

生まれると思います。大迫勇也選手のようなタイプではでなく、ドラゴン久保竜彦選手のようなタイプの怪物が“必ず”出てきますよ。

ーーおお。

ただ優れた指導者が不足していますし、あとはグラウンド。モンゴルはやはり寒いので、冬も使えるドーム式のようなものがあればと。あと、ボールやスパイクも不足してるかなと思います。

そしてもちろん努力を継続することですね。

ドルジさんも言ってたのですが、モンゴル人の弱点は“集中力の波”です。

ただ僕はそのことは必ずしも悪い意味だけでなく、モンゴル人の武器だと思います。ドルジさんも自分自身でそれを知っていたので普段はおちゃらけて、取組では集中力を極限に高めていたと言ってました。

ーーなるほど。モンゴルサッカーにはどのように発展していってほしいという気持ちですか?

モンゴルにはモンゴルならではのサッカーの道を進んでほしいなと。日本のサッカーとももっと交流が深まれば、モンゴルのサッカーだけでなく、日本のサッカーにも良い影響があると思います。