――それで、ゴール後のあのガッツポーズです。2回くらい強烈にされていたと思います。気持ちが出た場面でしたか?
試合後のコンディションなども含めて、色々と思うところもあった中での試合でした。
ただ、11人に選んでもらいピッチに立った以上は、自分の仕事をまっとうする。痛いとかきついは関係なく、結果を残さなければなりません。逆転をしたところでそこの感情が爆発しました。
――試合後の鬼木達監督のコメントや、逆転弾の直後に今季初の途中交代となったところにも色々表れていた場面だったのですね。
チームのみんながどこかしら痛いところを抱えてプレーしていて、僕も湘南戦が終わってから、次はできるか分からない状況でした。
本当にギリギリの状態で「やる」という選択をして使ってもらったのに、動けないでは話になりません。そういう状況で臨んだ試合だったので、絶対に勝ちたかったですし、自分が結果を残したいと思ってプレーしました。
そういう姿勢は、僕がサッカー選手として生きていく中で一番大事なところなので、無くさないでやっていきたいと思います。
――クラブの公式ハイライトでは、山根選手が試合後場内を歩いている時、「アシストじゃないし」「ガッツポーズなんかしてないし」と言っている姿が収録されていてつい笑ってしまいました(笑)。あれは照れだったのですか?
カメラを撮っている広報の方とは冗談を言い合う関係でもあるので、そういう場面でした(笑)。
※動画7分52秒~
――連戦中に逆転した鹿島戦、湘南戦、そして神戸戦は、いずれも決勝点が右サイドから生まれました。鹿島戦の宮城天選手のゴールは9月の月間ベストゴールにも選ばれましたが、そばで見ていて一番最初に駆け寄った山根選手としてはあのゴールどうでした?
あの時は、テン(宮城)がすごくボールを欲しそうにしていて。彼はその前も普通にクロスを上げればいいところでシュートを打っていたように、他の選手とはちょっと違う感性をしています。それをやり切るメンタルも多分持っていますし、キックに“パンチ”があるのも知っていました。
とはいえ、あんなに凄いシュートを打つとは思いませんでした。逆にゴール後、スカしていたのが気に入らないですけど(笑)。
94分に決勝弾、しかもJリーグ初ゴールで、本来なら走り回って喜ぶような状況なのに。まあ、先輩方もみんな喜んでいたので良かったですけどね(笑)。
ただ、アウェイで川崎のファン・サポーターが入ることができなかったのでそういうのも影響していたかなと思います。だからこそ、ホームで点を取った時の盛り上がりは「サッカーをやっているな」と嬉しい気持ちになります。