「このリーグシステムでは、日本は世界で勝てない」田中監督の危機感とは

そしてその次は福井丸岡RUCKの記者会見。キャプテンの日本代表FP池内天紀選手と監督の田中悦博氏が出席した。

先日は日本代表としてNSDF Futsal Championship 2023を制覇した福井丸岡RUCK池内天紀選手
池内天紀

「今日は雨だったんですけど、沢山の方々に見に来て頂いて、試合もすごく楽しくプレーできました。

(最後に追いつけたときは?)自分たちのセットが最後にプレーしていたので、点が入ったときにはとても嬉しかったです。

ここで負けたら…と思っていたので、追いつけて本当に良かったです。ベンチの雰囲気はわかりませんでしたけど…。(監督「ベンチは大喜びでしたよ」)

プレーする側から言えば、福井で5試合中3試合をやれるというレギュレーションはとても良いことだと思っています。知っている方々が見に来てくれますし、いつも以上のお客さんが入ってくれることで、一人ひとりがより力を出せます。

私は運営の方々も見てきているので、色々言われていますけど…(この試合で)フットサルのことだけではなく福井県のことを知ってもらえればいいなと思いますし、フットサルの楽しさをより伝えられるように頑張りたいです。

(ワールドカップに向けては?)去年よりも上位や下位が関係なく、結果が予想できない試合は増えたと思います。

それは個々のレベルアップにも繋がると思いますし、リーグ全体のレベルも上がっていると感じています。世界でもより上のレベルで戦えると思います」

現在のリーグの運営やレベル、そして国際舞台に出ていくときの戦いにもポジティブな感覚を持っているという池内選手。

一方、創設時から日本女子フットサルリーグに関わり、福井丸岡RUCKの監督を務めてきた田中悦博さんは、以下のような課題を口にしていた。

福井丸岡RUCK創設者でもある田中悦博監督
田中悦博

「池内の話に付け足すと、今は試合数が少ないのでアルバイトを雇ったりはできないんです。ですので選手の保護者の方々に迷惑をかけながらやっているんですね。

早くホーム&アウェイのレギュレーションにしてほしいです。みんな何を誤解しているのかなと思っているんですけど(笑)、自分たちの1試合だけならもっと楽なんです。

私は、このままだと(日本の女子フットサルは)世界で勝てないと思っているんです。

今日、たまたまFacebookを開いたら5年前のユースオリンピックのことが出ていました。この子たちは5年前に銀メダルを獲りました。スペインに勝って準優勝したんです。

ただ、そのスペインは今ヨーロッパでU-18の大会を開いていて、リーグ戦も年間26試合やっています。国際試合も多い。世界に飛び出しているんです。

私は小倉さん(小倉純二フットサル連盟会長)と『世界で戦えるリーグにしよう』と言ってこのリーグを立ち上げたのに、今のやり方では勝てないと思います。

だからもっと選手たちが声を上げて、きちんと年間20試合はやろう、ホーム&アウェイで試合をしよう、そういう主張をしていかなければいけないかなと。

我々は年末からローマへ遠征に行くんです。そこにはイタリア、ポルトガル、スペインも来ると思うんですけど、きちんと世界と戦って、その経験をどんどん発信していきたい」

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ワールドカップ創設が2年後に迫る女子フットサル。その中でまだまだ世界と戦うためのシステムが未整備の状況にあるというが、ある意味では「伸びしろが大きい状況」であるともいえる。

特別な「初代ワールドカップ女王」になるため、そして女子フットサルを盛り上げるため、ここからの2年でどんな改革が行われるのか注目していきたい。

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