タイガーイレブンの黄金期は続く

神奈川県予選では昨年度の選手権出場校である日本大藤沢高らを下し、初出場をつかみ取った。

指揮官は「涼しくなっていくたびに守備強度が上がってきて、(攻守の)切り替えも速くなった」と選手たちの成長を実感。確かな自信とともに本大会へ乗り込むと、全国の強豪らを打ち倒し、初めて国立の舞台に立った。

有馬監督(右)

黄色と黒のイレブンは3万7933人の観客を前に物怖じしないプレーを披露。流経大柏高から激しいプレスを受けても細かくパスをつないで、相手ゴール前へ侵入した。

ボランチで先発した長井主将は鍛えた運動量でいたるところに顔を出し、ビルドアップに参加した。また最後の笛が鳴るまで大声援にかき消されないほどの声を挙げて、仲間を𠮟咤激励し続けた。

ペナルティキックによる1失点を取り返せず、準決勝敗退となった東海大相模高。

長井主将は「あれだけボールを持っていても、一個のPKでやられてしまった。やっぱり流経さんは勝負強い。でもここまで自分たちのサッカーをやってこられて、本当に悔いはないです」と出せるものは出し尽くした。

試合終了の同時に崩れ落ちた東海大相模高イレブン

試合後の記者会見で有馬監督は「いきなり飛び抜けてここまで来たので、次のハードルが高くなりました(笑)。でも1年生にはかなり面白い選手もいますし、新入生はいままでで一番いい選手たちが入ってくると思います。

また新しいチームで、3年生を超える記録にチャレンジしていきたい。OBの方々も県予選から応援していただきました。新たに第2期、第3期と黄金時代を作っていきたいと思います」と東海大相模高の歴史に新たな1ぺージが加わった。

タイガーイレブンをまとめ、躍進を支えた主将は日本体育大に進学し、サッカーを続ける。

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長井主将は「正直、ベスト4にまた来られるかと言われると、すごく難しいと思います。だけどこれからもきつい走りや練習を乗り越えていくことで、自分たちの結果を塗り替えてほしいです。優勝は後輩たちに託します」と次世代への期待を口にした。

(取材・文 浅野凜太郎、写真 Ryo)

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