いよいよ7月30日(水)に開催される「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2025 presented by 日本財団」。今年は、J1の横浜F・マリノスが、イングランド・プレミアリーグの覇者リヴァプールFCと対戦する。

大会は昨年に続き、JリーグとNTTドコモが共同開催。そこに今年は日本財団がチャリティパートナーとして加わった形だ。

Jリーグ側にとって、「Jリーグワールドチャレンジ(JWC)」の開催意義が大きいことは想像し難くない。しかし、NTTドコモにとってこの大会はどのような意味合いを持つのだろうか…。

素朴な疑問を持ったQolyは、“ドコモ×スポーツ”の仕掛け人であるNTTドコモのエンターテイメントプラットフォーム部 担当部長(現:コンシューマサービスカンパニー カスタマーサクセス部 パートナーコンサルティング担当部長)の鈴木彰訓氏を直撃!

2017年に始まったJリーグとのトップパートナー契約やその後のJリーグとの協業、JWCを主催するようになった理由や大会の意義、さらには今大会を無料ライブ配信する『Lemino』などについて聞いた。

はじまりはDAZN…大きな挑戦だった「DAZN for docomo」

――本日はありがとうございます。まず、NTTドコモは、2017年7月にJリーグとトップパートナー契約を結びました。これはやはり、同年スタートしたJリーグとDAZNの契約、そしてDAZNとドコモの協業が大きかったですか?

はい、JリーグとDAZNの契約、ならびにDAZNとドコモの協業が大きかったです。

2017年2月15日に、「DAZN for docomo」のサービスを開始し、DAZNの革新的なスポーツライブストリーミングサービスによる新たな映像視聴体験を、より身近にお楽しみいただけるよう努めてまいりました。

このような営みから、Jリーグとの協業をさらに深化させ、地域コミュニティの活性化とスポーツ産業を発展させていきたいという思いで、2017年のパートナー契約締結という運びとなりました。

◆報道発表資料:Jリーグ、NTTドコモ「トップパートナー契約」、NTTグループ「オフィシャルテクノロジーパートナー契約」の締結 | お知らせ | NTTドコモ

――「DAZN for docomo」は当時から大きな話題となりました。サービスを始めたことでどんなインパクトがありましたか?

「DAZN for docomo」は、私どもとしましても大きな挑戦であり、スポーツ観戦スタイルに革新をもたらしたという点で大きな反響を呼びました。

サービス開始当初、月額980円(税抜)という価格で、Jリーグ全試合をはじめとする国内外の多彩なスポーツコンテンツが見放題になるという価値提案は、お客さまに大きな驚きをもって迎えられました。

これにより、これまで特定のチームや競技の試合のみを観戦されていた熱心なファンの方々はもちろんのこと、全国のドコモショップというお客様とのリアルな接点を通じてご案内することで、「少し興味がある」といったライトなファン層の方々にも、気軽にスポーツコンテンツに触れていただく機会を創出できました。

「いつでも、どこでも、好きなだけ」スマートフォンやタブレットでスポーツ観戦を楽しむという、新しい視聴スタイルを日本に定着させるきっかけになったと自負しております。

――近年、NTTドコモはなぜJリーグとの関係をより深めてきたのですか?

トップパートナー契約のもと、Jリーグがもつ、地域と人をつなぐ力。サッカーを中心に、人と人がつながり、集い、共に感動を共有する喜び。ドコモとJリーグは、そんな“つながり”の力を信じて、これまで地域やサポーターの皆さまと歩んできました。

各クラブと地域経済活性化に関する協業契約を進めるなどJリーグとの協業を進めていますが、それをさらに発展させ、サッカーを通じて人と人、地域と人をつなぎ、サポーター一人ひとりの人生をより豊かに彩っていく未来の実現に向けて、2025年4月に「チームになろう。」プロジェクトを発足しました。

「チームになろう。」ドコモがJリーグと新しい挑戦

このプロジェクトでは、ドコモならではの生活と接する多彩なアセット(※)とJリーグならではの日本全国の多彩な人とのつながりを掛け合わせ、サポーター、地域、クラブが感動を共有できる喜びを増やしていきます。

ドコモとしては、サッカーの感動を共有できる仲間づくりを、Jリーグとともにドコモが行っていることを、このプロジェクトを通してお客さまに認識していただければと考えております。

なお本プロジェクトは2025年1月ごろから、Jリーグ・ドコモ両者のミーティングの中で、トップパートナー契約のさらなる発展をめざす過程で検討を開始しました。

(※)ドコモの通信をはじめとしたテクノロジー、全国47都道府県にあるドコモショップなどのネットワーク、d払いやLeminoといったサービス、そして1億会員以上のdポイントクラブ会員基盤から得られるデータ活用など

――鈴木彰訓部長は、2023年から現在のJリーグとのパートナー部門の業務に就いたそうですね。そのころ、どのような思いを持って進めようと考えていました?

これまで実施していた施策などを、大きく活用して、ドコモの顧客基盤、dポイントクラブ会員との連携を中心に、新たなJリーグサポーターの来場を促進させたいと考えました。

60クラブ、それぞれのスタジアムで10,000人以上の来場がある景色を目指しながら、ドコモのあらゆるアセットを活用して、展開しようと考えました。

――それまではどんな業務に?

1999年にNTTドコモへ入社し、iモードのコンテンツ関連の業務を経て、おサイフケータイ導入時のサービス展開などに従事。その後、ドコモの法人営業部門で営業を経験後、2015年からdポイントサービス開始に合わせて、サービス展開、加盟店様の導入対応なども従事していました。

――Jリーグクラブの熱烈なサポーターだとうかがっています。

20年来のJリーグのサポーター経験はJリーグとの協業業務に活きており、サポーターの方々に楽しんでもらえるよう、魅力を感じてもらえるよう、1サポーターの立場で考えることができているのではないかと思っています。

――Jリーグとの“共創”について、どのあたりに「相性の良さ」を感じました?

Jリーグにおける成長戦略の一つ「60 クラブが、それぞれの地域で輝く」は、ドコモグループが掲げるブランドスローガン「つなごう。驚きを。幸せを。」と重なります。

サッカーというスポーツの魅力、地域に根ざした60クラブの存在、60クラブごとにある60ドラマや熱狂は、ドコモのテクノロジーや全国のネットワーク、サービスを掛け合わせることで新たな価値を生むと信じています。