サッカーの強豪国は「ワールドカップに出場するのは当然」と考えているかもしれないが、小国にとっては予選を突破するだけでもこの上ない喜びである。
不思議なことに、中国やインド、インドネシアなど世界でも最も人口が多い国のいくつかは予選突破に近づくこともできずにいるが、その一方で遥かに小さな国が大きなポテンシャルを発揮していることも。
今回の2026年大会では人口50万人弱のカーボ・ヴェルデがアフリカ予選を初めて勝ち抜くことに成功した。
今回は『Planet Football』から「ワールドカップ出場権を獲得した8つの小国」をご紹介する。(※カーボ・ヴェルデのデータはまだランクインしていない)
6位:スロベニア、ウルグアイ、UAE
初出場したワールドカップ:2002年(スロベニア)、1930年(ウルグアイ)、1990年(UAE)
初出場当時の人口:190万人
旧ユーゴスラビアから分離独立したスロベニアは、伝統的にハンドボールとスキーが盛んだった地域。2002年のワールドカップで初出場を果たしたものの、エースのザホヴィッチがカタネッツ監督との確執により離脱したことが響き、3連敗で終わった。
ウルグアイはFIFAワールドカップの歴史上最も成功を収めた国の一つであり、第1回大会の開催地だ。初の王者となった1930年当時、ウルグアイの人口は200万人以下だった。現在も340万人ほどだが、数々の名選手を輩出し続けている。
UAEが初出場を果たしたのは1990年。国から「得点者にはロールス・ロイスを贈呈する」と約束されたチームはイタリアでのワールドカップに意気揚々と参戦したが、3連敗を喫して大会を去った。
5位:クウェート
初出場したワールドカップ:1982年
初出場当時の人口:150万人
1982年にスペインで行われたFIFAワールドカップは、参加国が16から24に拡大されて開催された。これによってアジアとアフリカに割り当てられた枠が増大した。
クウェートはこの大会で初めて出場を果たした5カ国のうちのひとつで、イングランド、フランス、チェコスロバキアと同じグループの中で健闘を見せた。チェコスロバキア相手には1-1と引き分けることに成功し、勝点1を獲得した。
ただその中で信じられないような出来事もあった。フランス戦でアラン・ジレスにシュートを決められたあと、観戦していたクウェートのファハド王子が選手を引き上げさせ、自身がピッチに降りて激しく抗議。これを受けて主審はゴールを取り消した。
この事件は大きな問題に発展し、スポーツの独立性を揺るがす事態だとみなされた。主審は資格停止処分となり、クウェートサッカー協会は巨額の罰金を科されている。