偽サイドバックとして新境地開拓へ
柏時代は恵まれた体格を生かしたダイナミックな守備や、サイドを駆け上がる姿が印象的だったが、この日は偽サイドバックとしてビルドアップの起点になった。
右サイドバックで出場した関根は、試合の状況に合わせてポジションをピッチ中央に移した。
「内側に入って組み立てる部分は、監督(カレル・ヘラーツ監督)から求められています。そこを意識してプレーしていますが、もっと立ち位置の部分で有効的な場所に立てれば、ボールをより引き出せると思います。
まだ発展途上だと思いますし、個人としてもチームとしても完成していない。でも何回かワンタッチのパスがいい形でつながったときは簡単に相手をはがせたので、そういう部分をもっと増やしたい」と改善点を挙げつつも、新境地開拓への手ごたえを口にした。
スタッド・ランスは、後半29分にFWレダ・カドラが裏に抜け出してゲットしたペナルティキックのチャンスを自ら決め切ったが、試合はそのまま1-2で終了。ジャパンツアー2連敗となった。
チームは今季フランス2部を戦う。関根は1部リーグ復帰に向けて「一瞬、一瞬にかけてプレーをしないと、本当に後悔する」と呼びかけた。
「きょうもありましたが、自分たちは簡単なミスからの失点で苦しみ2部に落ちた。安い失点をなくすことが一番大事だと思います。
あと、きょうもPKで得点を取っただけですし、チャンス自体もぜんぜん作れていない。得点を取らないと勝てないスポーツだと思うので、そこのクオリティにこだわってやっていきたいと思います」
次戦は8月2日の午後7時から、大阪府のパナソニックスタジアム吹田でJ1ガンバ大阪と、ジャパンツアーの3戦目を戦う。今度こそ、集まったサポーターに勝利を届けたい。
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FIFAワールドカップまで残り1年を切った。本大会初出場を目指す関根は「2部だから厳しいみたいな声もありますが、ワールドカップに出ることは小さいころからの夢だった。そのチャンスがあるからには、諦めちゃいけない」と強い覚悟で新シーズンに臨んでいる。
(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟)