新天地FC BASARA HYOGOで歩む道

神戸退団発表から2カ月半の月日が流れ、今年3月10日に関西1部FC BASARA HYOGOへの入団が発表された。

FC BASARA HYOGOでプレーする中坂(中央、FC BASARA HYOGO提供)

神戸退団後に熱烈なオファーを受けた中坂は「どこのカテゴリーというより、自分を必要としてくれるチーム。『力を貸してほしい』という純粋な言葉に、自分で良ければというか、少しでもできることがあればという思いが一番強かった。そこが決め手であり、もう一回頑張りたいと思いました」と快諾。その熱意にほだされ、再び闘志に火が灯った。

入団後すぐ主力に定着し、リーグ戦9試合1得点3アシストとこれまで開催されている全試合に先発出場を果たした(8月21日現在)。プレーする喜びを噛みしめている中坂は、華麗なプレーで同リーグでも一線を画す存在となっており、チームも首位を独走している。

「毎日サッカーができることもそうですし、チームの状態もいいです。チームの状態が一番いいというのは、結果も雰囲気も含めていいです。自分もチームも充実しているという実感をしています」と柔らかい笑顔を浮かべた。

大津直人ゼネラルマネージャーは「(中坂は)チームにとっていいお兄ちゃんのような存在。若手選手をご飯に連れて行ったりと面倒見が良くて頼りになる選手です」というように、選手としても人としてもチームの柱として欠かせない存在となっている。

(FC BASARA HYOGO提供)

チームは全国社会人サッカー選手権の予選である関西大会を勝ち抜き、本大会出場を決めている。目標は日本フットボールリーグ(JFL、4部相当)参入がかかる全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2025での優勝だ。

「まずはリーグ優勝です。上のカテゴリーに上がりたい気持ちは僕自身そうですし、みんなが思っている。上のカテゴリーにこのチームが、行ければいいと思います。そのために自分が少しでもプレーで、示せればいいと思っています」と意気込んだ。

中坂を応援しようと多くの神戸サポーターが駆け付けている。中坂は自身を応援し続けたファンに深い感謝の気持ちを抱いている。

「(トップチームに)9年いて、特に神戸はスーパーな選手がたくさんいます。その中でも自分を応援してくれている、 気にかけてくれるファンサポーターの人がいることはすごくうれしかったです。自分の中でなかなか厳しいときもありましたけど、そういう人たちのお陰で気持ちを切らさずに最後まできたんじゃないかと思います。

残りリーグ戦5試合でいまは順調ですけど、いつ負けるか、どうなるか分からない。気が抜けない試合が続くので、少しでも多くの方に足を運んでもらって応援していただけたら、僕らの力になります。僕自身も神戸時代のファン、サポーターが観に来てくれたら、すごく嬉しいです。力になるので是非よろしくお願いします!」とファンに感謝を述べつつ、引き続きの応援をお願いした。

(FC BASARA HYOGO提供)

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神戸の未来といわれた男は、あの苦しかった2年間の面影はない。快晴の青空のように清々しい表情を浮かべる中坂は、明石市を拠点とするクラブの未来を背負って奮闘し続けている。

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