プロ1年目から興味を示してくれたクラブへの加入
V市原への加入は5月30日に発表され、翌日には関東1部第6節東邦チタニウム戦(2○0)に出場できるほどコンディションが回復した。
苦しかった無所属期間を乗り越えた佐久間は、古巣千葉への感謝を口にした。
「ジェフの人たちは本当に優しくて、自分を受け入れてくれた。それが本当にありがたかったです。チームが決まらなそうだったら、『このチームはどう?』とか『紹介できるよ』と言ってくれました。練習参加するチームが決まったときも、そのチームにいた人がいろいろと教えてくれたりして、すごく優しかったです。
キャンプに帯同していない間も、アカデミーのトレーナーの方々にすごくお世話になりました。そこから徐々に状態を見ながらジェフの練習に入れるようになった。最初は(ジェフへの練習参加が)すごく嫌でしたが、居づらさはまったくなかったですし、感謝しかないです。慶行さんも、最後には『頑張って』と送り出してくれました」
5月中旬に訪れたV市原への練習参加は計2回と限られた時間だったが、すぐさま契約をつかみ取った。
試合中はもちろん、練習場やロッカールームからも気持ちのいい声がこだまするV市原。2011年3月に創立され、2013年には関東1部へ昇格。翌年にはフルコート2面とクラブハウスを備えた本拠地VONDSグリーンパークを竣工するなど、千葉県最大級の地域クラブだ。
冗談交じりに“うるさいくらい”とチームの活気を形容すると、佐久間はうれしそうに「あまりないですよね、こんなチーム。高校の部活みたい」と笑う。この雰囲気の良さこそが加入の決め手だった。
佐久間は「ジェフでの1年目のときから、VONDSはずっと僕のことを気にかけてくれていたんです。練習参加したチームは他にもありましたが、チームの雰囲気がすごく悪いところもあった。でも、VONDSは雰囲気がすごく良かったですし、早く練習をし続けられる状態にして試合に出たかった」と、“即決”で加入を決めた。
V市原は昨季関東1部で2連覇を達成したが、JFL・地域入れ替え戦は2年連続で敗れており、今年こそJFL参入を成し遂げたい。
だが、今季はここまで関東1部第16節を終えた時点で勝点26の4位となっており、優勝の可能性は消失。それでも10月に開催される第61回全国社会人サッカー選手権大会への切符はつかんでおり、JFL参入がかかる全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2025につなげたい。
「全員でなんとかして流れを変えようとしている状態です。VONDSは勝負強いチームだと思うんですけど、それだけじゃどうしようもない部分もある。もっと相手より勝っている部分や、チームとしてのスタイルを出していきたいです。全員が攻守において同じ方向を向いてやれば、いい選手がそろっているので勝てるようになると思います」とギアを上げたい。