今年こそ“参入”へ
佐久間はここまでリーグ戦7試合に出場。得意の裏抜けやチャンスメイクは健在だが、いまだゴールを奪えていない。
「途中で出る試合がほとんどだった中で、流れを変えなくてはいけない。そこも自分の課題だと思いますし、何よりもゴールを取れていません。チーム全員が(JFL参入を)まだまだ諦めていないですし、ここから本当に大事な試合が続く。自分がどんな形でも結果を出して、チームの勝利に貢献したいです」と意気込んでいる。
加入してから約4カ月が経った。
中学生年代から千葉の下部組織で育ったエリートの佐久間は、V市原で介護の仕事に就きながら日々のトレーニングに励んでいる。
「サッカーだけをやっていたからこそ思うんですけど、両立は簡単ではないと思います。ジェフのときは午前中に練習をやって、午後は筋トレや交代浴をしていましたが、その時間が奪われてしまう。長時間立っていたりもするので、大変な部分はあります」と慣れない環境に身を置く。
プレーできる喜びを嚙みしめながらも、新天地にいち早く順応しようと奮闘する毎日だ。22歳は日に日にJFL参入への想いを高めている。
「僕よりも仕事をしている人はいるし、本当にすごいと思う。そういう意味でも早く昇格して、もっとサッカーに使える時間を増やしたいという想いを、絶対にみんなが持っていると思います。ここでやると決めたからには、100パーセントでやると決めていますし、みんないい人たちなので、昇格したいです」
下部組織時代を含めて9年間を過ごした千葉に別れを告げた佐久間は、いまでもトップチームやアカデミーの結果を追っているという。
プロの舞台からカテゴリーを落としたが、サッカーへの熱意はあのころと何も変わっていない。
「高校年代とプロではレベルがまったく違う。自分はそのレベルに合わせていけなかった。いつかジェフに戻りたいですし、フクアリで対戦したい気持ちもあります。ただ、いまはあまり先のことを考えずにできることをやっていきます」と、ここからはい上がる。
取材が終わると佐久間は「ジェフのみなさんには本当に感謝しているので、その気持ちを書いてもらえるとうれしいです!」と、深く頭を下げてその場を後にした。
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22歳のキャリアはここからだ。佐久間は悲願のJFL参入に向けて、V市原から再スタートを切った。
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