王国ブラジルを相手に、0-2からの逆転勝利を収め、14回目の対戦にして歴史的な初白星を手にした日本代表。
決して完璧な内容だったわけではないが、来年のワールドカップで「優勝」を目指すチームにとっては自信を得られる試合となったに違いない。
そのブラジル戦において、「圧倒的な存在」だった5名の選手を紹介する。
谷口彰悟
昨年11月に所属のシント=トロイデンでアキレス腱断裂の大怪我を負い、長くピッチを離れていた谷口彰悟。
日本代表での試合出場は昨年10月以来ほぼ1年ぶりだったが、求められる“感度の高いプレー”をブラジル相手でもしっかりと発揮。逆転勝利の陰の立役者の一人となった。
ボールを持った際の最初の選択は、常に「縦」。いつでもベストの準備ができていることは谷口の特筆すべき長所であり、カタールワールドカップのスペイン戦での大抜擢はまさにそれを象徴している。
現状、3バックの中央で谷口と同レベルの仕事ができる日本人選手は、負傷離脱中の冨安健洋しかいない。富安の先行きが読めない以上、必然的に谷口は今の日本代表に不可欠な存在と言える。
鈴木淳之介
今年6月の日本代表デビューから3試合目で迎えたブラジル戦、22歳の鈴木淳之介は自らの選手としての価値をピッチ上で証明してみせた。
3バックの左は伊藤洋輝(バイエルン)や町田浩樹(ホッフェンハイム)が存在感を見せてきたポジションだが、鈴木は2022年にプロ入りした湘南ベルマーレで長く3バックに慣れ親しんできた。
元ボランチでほぼ両利きということもあり、アイデア豊富に周りと繋がることができる点は大きな魅力。それでいてデュエルでも強みを発揮できる攻守に優れたDFだ。
ブラジルの先制点の場面ではうまく引き出されてしまったが、それも良い経験になったはず。所属のコペンハーゲンでは右サイドバックとしても高い評価を受けており、万能型の守備者としてさらなる成長が期待される。